全米プロ9位タイ、全米オープン4位とメジャーに強いキャメロン・スミス
昨年11月の全豪プロゴルフ選手権以来、7カ月ぶりの勝利に、
「ここ数カ月、勝利の扉をノックし続けたので、これをきっかけに扉が全開になってくれるとうれしい」
と笑みを見せた。LIVゴルフの成績は世界ランク対象外。
それでも7位をキープしているのは全米プロ9位タイ、全米オープン4位とメジャーで上位に入っているから。大舞台に強いオージーは昨年の聖地セントアンドリュースに続き、今回も有力な優勝候補だ。ビッグイベントの前に
「自信が戻ってきた。勝つことは素晴らしい」
とメジャー連覇を視野に入れた。
ロンドン大会で優勝争いしたパット・ペレスは、
「キャム(スミス)は一生で一度もパットを外したことがない男。彼のゴルフはショッキングだ」
と脱帽。
ところでLIVとPGAツアーの統合に関しては具体的な話が伝わってこないが、合併発表後に健康上の理由で職務を離れていたジェイ・モナハンコミッショナーが7月17日に復帰。
それを受け、モナハン不在の穴を埋めるため辞任を先延ばしにしていたPGAツアー政策委員会のランドール・スティーブンソン氏が役職を辞任。元AT&T幹部でゴルフ界に影響力のある同氏は、ツアーとサウジアラビアの公的投資基金との契約提案に「重大な懸念」を示した。
10年以上ツアーの政策委員を務めたスティーブンソン氏は理事会に宛てた書簡のなかでジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏殺害へのサウジの関与を指摘し、この提携は
「客観的に評価できるものでも良心的に支持できるものでもない」
と訴えた。
幹部が離脱したツアーだが、モナハンは以前
「実弾戦(資金面)でLIVには勝てない」
とスタッフに漏らしており、彼の決断は理想ではなく現実的な選択ともいえる。復帰すればまた嵐に巻き込まれるのだろう。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月1日号「バック9」より