効率的でキレイなスウィングをするためには「トップ・オブ・スウィング」、いわゆるトップの作り方も重要なポイント。プロゴルファー・大谷奈千代に、トップの役割、そして正しいトップの作り方を、イラストを交えて解説してもらおう。

トップ・オブ・スウィングの役割とは?

スウィングの切り返し地点である、クラブが1番高くまで上がった位置をトップ・オブ・スウィングと言います。重要視されることの多いトップですが、その役割と理由をイラストでレッスンしていきましょう!

トップでは、クラブを高い位置に収めて位置エネルギーを確保し、股関節の折り込みと上半身の回転によって体を深く捻転することで、ねじり戻すためのパワーを貯める「貯蓄」の役割をしています。が、これだけでは不十分! もっと言えば、トップの位置から切り返し以降のダウンスウィングでさらにエネルギーを溜め込んでいくので、トップはエネルギーを溜め込むための準備段階の役割をしているのです。

画像: 深く捻転しつつクラブを高く上げることで、ダウンスウィングでさらに飛ばしのエネルギーを溜め込むための準備を行う。これがトップの役割だ

深く捻転しつつクラブを高く上げることで、ダウンスウィングでさらに飛ばしのエネルギーを溜め込むための準備を行う。これがトップの役割だ

回転と折り込みを連動させよう!

トップでエネルギーを貯め込むためには、上体が十分に捻転していて、体重を右の股関節に乗せてグッと折り込んで「回転」と「折り込み」を連動させていく必要があります。

この折り込みがしっかりできているかどうかがダウンスウィング以降の飛ばしのパワーに大きく影響していきます。

画像: 股関節を折り込んで前傾姿勢を取り、右の股関節に体重を乗せて、かつ上体を捻転させる。これが正しいトップを作るコツだ

股関節を折り込んで前傾姿勢を取り、右の股関節に体重を乗せて、かつ上体を捻転させる。これが正しいトップを作るコツだ

そのためには、右の股関節に正しく体重を乗せることが大切なのです! では、その動きを学べる練習ドリルをご紹介しましょう。

まずは股関節から骨盤ごと前傾した前傾姿勢で構えます。この前傾姿勢の状態でクラブのシャフトを胸に当てて、右足を踏みながら腰を回していきましょう。そうすると、股関節が40度くらい回ったところで一度回転が止まります。

次に、胸を回していくと、胸椎も40度ほど回ってきます。足しておよそ80度ほど! すごくシンプルですが、これが正しいトップの位置になります!

画像: 前傾姿勢を取り、まずは股関節だけ回してみよう。加えて胸椎も回すことで、深い捻転を作ることができる

前傾姿勢を取り、まずは股関節だけ回してみよう。加えて胸椎も回すことで、深い捻転を作ることができる

上記の動作の順番で正しくトップの位置が作れると、とても大切な左足と、右手一直線上で引っ張り合うような状態を作ることができるようになります。

この筋肉の引っ張り合いを作ることができれば、ダウンスウィング以降の左足を踏み込みによって引っ張り合いを解くことで切り返しが起こるというわけなのです。切り返し以降は、左股関節による下半身リードで腰が回り続け、胸が回り、最後に手が振られていきます。

画像: 正しいトップは、右手と左足が一直線上が引っ張り合うような状態になる。この緊張状態を左足の踏み込みでほどくことで切り返しが起こる

正しいトップは、右手と左足が一直線上が引っ張り合うような状態になる。この緊張状態を左足の踏み込みでほどくことで切り返しが起こる

胸の前にクラブを当てて、腰と胸を左右に回すドリルはトップと切り返しにかけて大切な動作になります。

もし、前傾姿勢が崩れて起き上がってしまうと、折り込みが解けてしまうので、右股関節に正しく体重移動ができなくなってしまいます。

こうなってしまうと、下半身が右に流れるリバースピボットの原因となってしまい、パワーロスだけでなくクラブが軌道から外れてしまうのでミスショットを引き起こしてしまうので注意しましょう。

トップはバックスウィングで右方向に回転した体とクラブが逆方向に方向転換する瞬間でもあるので、一瞬動きが止まったように見えるのためチェックしやすいポジションです。しかし、動作は止まっていないことを覚えておきましょう!

ダウンスウィング以降のスムーズなスウィングのためにも、いいトップのポジションを通過することが大切なチェックポイントです。是非参考にされてください。

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