プロやパワーヒッターが使うイメージの強い「アイアン型UT」。ところがギアオタクでクラブフィッターの小倉氏は、ちょっと違った考え方もあるという。
画像: 打ち下ろしのホールでも、アイアン型UTなら、高い確率でフェアウェイに運べる(写真はイメージ)

打ち下ろしのホールでも、アイアン型UTなら、高い確率でフェアウェイに運べる(写真はイメージ)

最近のクラブは、みなボールが高く上がるように設計されている

クラブフィッター小倉です。今回はアイアン型UTを取り上げます。メジャータイトルの一つである全英オープンでは、風が強く、地面が硬いコースで開催されることが多いです。そんな環境で戦うために、アイアン型UTを駆使してコースに対応しているプロがみられました。

理由は、高さを抑え、狙ったところに打ち出しやすいからなのですが、どうしてもこういった理由から、ある程度パワーがないと使いづらいような印象を受けてしまいますよね。たしかに飛距離を出すためには、パワー、言い換えればヘッドスピードは、高ければ高いほどその性能を生かしやすいです。

ですが、不必要な高さを出さずに狙ったところに打ち出しやすいというメリットは、ヘッドスピードがそれほど高くなくても十分生かせると思います。

たとえば、ティーショット。高低差の大きい丘陵コースなどでは、打ち下ろしのホールなどで高い確率でフェアウェイに運びやすいクラブになります。林間コースの狭いホールなどでも有効ですね。特に風が強い日などに、そのメリットを強く感じられると思います。その他、アイアン型UTが活躍する場面は、狭いエリアを通すショットでしょうか。林の中から高さを抑えて距離を出す場合や、狙う方向の近くに枝が張り出ている場合など、シビアな打ち出し方向と高さの制御が要求される場合に重宝します。

昨今のクラブは、みなボールが上がりやすくなるように設計されています。理由は、キャリーを出しやすくし、安定した飛距離を得られやすくするためです。その結果、どんなクラブも低く打ち出すのが難しくなってきているのも事実です。

ゴルフは14本もクラブの使用が認められています。14本フルでセッティングが決まっている方は、無理に入れる必要はありませんが、もしセッティングに余裕があるのならば、低く打ち出せるクラブを持っておくといざというときに便利です。そういったクラブの候補にアイアン型UTは、ピッタリかなと思います。

前述した本来の強みのほか、ミスに適度に強く、ウッドに比べて低く打ち出しやすい特徴をうまく生かせば、他のクラブにはできない活躍をしてくれるはずです。ちなみに私もアイアン型UTを愛用しているひとりです。コースや時期によって使い分けていますが、ドライバーが調子の悪い時ほど、リカバリーに活躍してくれる頼もしい1本になっています。

This article is a sponsored article by
''.