3月のダイキンオーキッドレディスからスタートした今シーズンの国内女子ツアー。ミネベアミツミレディスで全38試合中、ちょうど半分の19試合を消化し、大東建託·いい部屋ネットレディスから後半戦が始まった。そこで前半戦を振り返ってみよう。
画像: ニチレイレディスで山下美夢有と岩井姉妹の3人が最終日最終組対決。山下が今季4勝目を挙げた

ニチレイレディスで山下美夢有と岩井姉妹の3人が最終日最終組対決。山下が今季4勝目を挙げた

山下、岩井姉妹の3人による争いは後半戦もまだまだ続く!? 

4月の富士フイルム・スタジオアリス女子オープン最終日。首位で出た山下美夢有を1打差2位の岩井千怜が猛追。一時は逆転するが、ともに9アンダーと並んで迎えた18番で明暗が分かれた。

2人ともティーショットはフェアウェイをとらえ、残りはほぼ同じ距離。残り170ヤードの山下が先に5UTでピンそば1.5メートルにつけプレッシャーをかける。千怜は6Iで残り165ヤードを狙うが、右のバンカーにつかまり、4メートルのパーパットを外してボギー。1打差2位タイに終わり、山下が今季初優勝を挙げた。 

翌週のKKT杯バンテリンレディスでは姉の岩井明愛が初優勝。史上初の双子Vに妹・千怜は「一番近い存在。ライバルではなく、仲間ですね」と喜ぶ。

その1カ月後から3人の優勝争いが始まった。

まずRKB×三井松島レディスでは2日目にツアー史上初の姉妹最終組が実現。明愛が首位タイ、千怜7位タイで最終日を迎えると、千怜が「65」をマークして首位でホールアウト。姉・明愛が「69」で追いつき、5位タイから出た山下も「66」で3人によるプレーオフへ。2ホール目でバーディを奪った千怜が山下に前月のリベンジを果たした。 

すると山下は惜敗の悔しさを翌週のブリヂストンレディスですぐに晴らす。前週のプレーオフで敗れた山下と姉・明愛が最終日最終組になると、明愛が1打しかスコアを伸ばせないなか、山下は6バーディ、ノーボギーの「65」で2位の明愛に7打差をつけ圧勝。メルセデスランクでも1位に躍り出た。

さらに翌週のリゾートトラストレディスでは山下と千怜が最終日最終組になるが、千怜を退け山下が2週連続優勝。 

だが、サントリーレディスでは千怜が初日からトップを譲らず完全優勝で2位山下に競り勝ち今季2勝目。

すると翌週のニチレイレディスでは初めて3人で最終日最終組になり直接対決。今度は山下が完全優勝で明愛2位、千怜3位タイという結果になっている。 

メルセデスランク(山下1位、、岩井明愛3位、岩井千怜4位)、賞金ランクでも3人が上位に入り、この三つ巴の戦いは後半戦も続きそうだ。

後半戦もニューヒロイン誕生の期待がかかる

画像: 山下美夢有や申ジエ、岩井千怜、穴井詩が複数回優勝を遂げるなか、前半戦では19歳から27歳まで5人の新チャンピオンが誕生。右から吉本ひかる、山内日菜子、岩井明愛、神谷そら、櫻井心那

山下美夢有や申ジエ、岩井千怜、穴井詩が複数回優勝を遂げるなか、前半戦では19歳から27歳まで5人の新チャンピオンが誕生。右から吉本ひかる、山内日菜子、岩井明愛、神谷そら、櫻井心那

すでに5人の初優勝者が誕生した今年の前半戦。

明治安田生命レディスではシード権がなくQT28位の資格で出場した吉本ひかるが黄金世代12人目の優勝を飾ると、アクサレディスでは昨年の最終QTに進めず出場資格を持たない山内日菜子が、大会3日前に繰り上がりの主催者推薦で得た出場チャンスを見事に生かし地元・宮崎で初優勝。 

バンテリンレディスの岩井明愛は史上初の双子V。

フジサンケイレディスでは昨年のプロテストでトップ合格した神谷そらが2003年生まれの選手として尾関彩美悠、川﨑春花に続く3人目の優勝。

その神谷に続いたのが昨年、ステップ・アップ・ツアーで5勝を挙げた櫻井心那。資生堂レディスでレギュラーツアー初優勝を挙げた。

RKB×三井松島レディスでは山下美夢有、岩井明愛と千怜がプレーオフに進んだことで、史上初となる双子姉妹のプレーオフが行われるなど、まさに記憶にも記録にも残る"初物尽くし"の前半戦だった。 

そんな前半戦では珍事も発生。サロンパスカップに出場した永久シード保持選手の不動裕理が第1ラウンドのスコアを実際の「10オーバー」から「9オーバー」と過少申告してしまい、第2ラウンド開始前に失格となった。公式戦出場数は歴代単独3位となる76試合目だったが、97年のデビュー以来、プロ通算478試合目にして初めての失格処分となった。

また川岸史果が6年ぶりの優勝を果たしたリシャール・ミル ヨネックスレディスでは、初日から続いた悪天候の影響で史上初の27ホール&セカンドカットの採用で競技が成立。史上最少ホール数での決着という歴史に残る一戦だった。

※ランク、スタッツはミネベアミツミレディス北海道新聞カップ終了時点

PHOTO/TadashiAnezaki、Hiroyuki Okazawa、ShinjiOsawa、Hiroaki Arihara

※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月1日号「女子ツアー前半戦”ヒト・モノ・コト”を振り返り!」より

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