クラブ契約フリー選手たちが"ミズノアイアン"で大躍進
前半戦の優勝者13人中11人が国産ブランドのアイアンを使用。ここ数年、キャロウェイ、テーラーメイド、ピンゴルフと外国ブランドのクラブがツアーを席巻していたが、メイド・イン・ジャパンが盛り返してきた!
ほとんどがメーカーの契約選手というなかクラブ契約フリーの吉本ひかる、穴井詩、川岸史果はミズノのアイアンを選んでいた。
ミズノのアイアンで初優勝を挙げた吉本ひかるは、
「去年から使っていますが、やっぱりアイアンはミズノです。自分の生命線でもあり、他のメーカーには替えられない。このモデルは打ちやすく、自分の打ちたい球がコントロールしやすい。中空なので球も上がりやすく、スピンもしっかり入ります」(吉本)
6年ぶりの優勝を飾った川岸史果も、
「ミズノのアイアンは打感と顔がいい。やっぱり見た目が一番重要だと思います。クラブ契約フリーになって、ウッドはいろいろと打って試しているのですが、アイアンだけはミズノから替えられないですね」(川岸)
ホールインワンは11回中6回が国産アイアン
前半戦ではホールインワンが11回記録された。
UT(ヤマハ)で1回、国産アイアン(ミズノ2回、プロギア、ダンロップ、本間、ブリヂストン)は6回。
KKT杯バンテリンレディスの奥山純菜とブリヂストンレディスの奥山友梨は、ともに熊本出身で互いの父が兄弟でいとこ同士だった。
飛ばし屋10傑のドライバーが女子ツアーをけん引
前半戦19試合で優勝者は13人。そのうち5人はドライビングディスタンスでもトップ10入りと、飛ばし屋が国内女子ツアーをけん引した。
ドライビングディスタンス1位の神谷そらは、ヤマハRMX VD(9.5度)× ベンタスブラックで初優勝を飾った。
同2位の穴井詩はヤマハではキャロウェイパラダイム♦♦♦(9度)で今季初優勝し、パナソニックではキャロウェイローグST♦♦♦(8.5度)で2勝目を挙げた。
キャロウェイパラダイム♦♦♦は申ジエと川岸史果が勝利し、3選手で3勝と飛距離と強さを発揮した。
4位の櫻井心那はダンロップスリクソンZX5 MkⅡ LS (8.5度)× ディアマナGTで初優勝を挙げ、ZX5ドライバーは、前半4勝の山下美夢有(ZX5 MkⅡ⦅8.5度⦆× スピーダーNXグリーン)と北海道の地元大会で優勝した小祝さくら(ZX7 MkⅡ⦅9.5度⦆× テンセイ プロ ホワイト1K)も使用している。
同3位の竹田麗央も"ZX派"(スリクソンZX7 MkⅡ LS× ツアーAD U)だ。
また、同6位の岩井千怜と同7位の岩井明愛は、姉妹の活躍と合わせて飛距離の出るドライバーにも注目が集まった。
千怜はヨネックスEZONE GT 425(9度)× レクシスカイザ-L、明愛はヨネックスEZONE GT 450(9度)× レクシスカイザ-Mで優勝。
どちらも直ドラができるドライバーとしても話題になった。
神谷、穴井、櫻井、岩井姉妹の前半戦で優勝した5人はドライビングディスタンストップ10に入る飛ばし屋。
後半戦でもトップ10に入る飛ばし屋から多くの優勝者が出るかもしれない。
勝者のボールは、スリクソンが19戦10勝
昨シーズンは38試合中16勝が「ツアーB XS」「ツアーB X」でブリヂストンがトップだったが、今季前半戦はわずかに3勝。代わってスリクソンが勝率5割を超えている。
米ツアーでは男女ともタイトリスト「プロV1」「プロV1x」が圧倒的な支持を得ているが、国内女子ツアー前半戦の優勝者で使用しているのは申ジエ、穴井詩の2人のみ。
「スリクソンZスター」シリーズは4勝している山下美夢有のほかにも、青木瀬令奈、岩井姉妹、櫻井心那、小祝さくらが使用。
昨シーズン前半戦で活躍した西郷真央や稲見萌寧らが使用する「ツアーBXS」は何と優勝者ゼロとなったが、「ツアーB X」が3勝を挙げている。
後半戦も、選手たちが使用するギアの"活躍"に注目したい。
※ランク、スタッツはミネベアミツミレディス北海道新聞カップ終了時点
PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Hiroaki Arihara
※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月1日号「女子ツアー前半戦“ヒト·モノ·コト”を振り返り!」より