全英オープンの翌週ということもあり3Mオープンはビッグネームの欠場が目立った。そんななか松山は全英帰りの疲れもものともせず7バーディ、ノーボギー、7アンダー64の今シーズン自己ベストをマーク。首位に1打差の2位タイと絶好の滑り出しを見せた。
持ち前のショットが冴え18ホール中17ホールでパーオンに成功。終盤3メートル前後のチャンスが入っていればさらにスコアを伸ばせそうな展開だった。
昨シーズンは序盤で2勝を挙げたためこの時期は余裕を持ってスケジュールを調整することができた。しかし今年はベスト10入りを狙った全英オープンで13位タイに終わりポイントランクは56位から54位とほぼ横ばい。「(全英最終日に)1つか2つ伸ばせばトップ10に入れるかと思ったけれど甘かった」と1アンダーをマークしながら思ったように順位を上げられず「6連戦するしかない」と覚悟を決めた。
そして迎えた3Mオープン。さすがのプレーで上位フィニッシュしこのままの順位なら大会終了後には54位から40位に浮上する見込み。もちろん優勝ならその時点でトップ30入りがほぼ確実になる。
シーズン前半首の故障で思うようなプレーができなかったが予選落ちは少なく(3試合)、プレーヤーズ選手権では単独5位に入っている。とはいえツアー8勝のマスターズチャンピオンにしては物足りない。
データでは100ヤード以内のグリーンを狙うショットは全体のナンバー1。しかしパットに関してはフィールドのアベレージを下回りSG(ストローク・ゲインド)パッティングはマイナス0.063で112位。ショットメーカーの性か、好調なショットの足をパッティングが引っ張っていることがわかる。
また初日に出遅れる傾向がありファーストラウンドの平均スコアは70;65で95位。3日目のアベレージは68.81でムービングデーにスコアを伸ばしているが最終日はまた70台(70.25)で全体の90位にとどまっている。
なかなか好スタートが切れないなか3Mオープンでは出遅れないどころかロケットスタートで上位発進。ツアー選手権出場に向け背水の陣を敷く松山にとって目論見通りの展開だ。
目下ポイントランク75位とプレーオフ進出さえ危ぶまれるジャスティン・トーマスは2アンダー69で46位タイと予断を許さない状況。このままではメジャー2勝、ツアー通算15勝を誇るビッグネームの姿がプレーオフで見られなくなってしまうかもしれない。一寸先は闇。プロの世界は厳しい。