「マッスルバック」「キャビティ」「ポケキャビ」と様々なヘッド形状があるアイアン。最近、より増えているのが「中空構造」のモデル。ギアオタクでクラブフィッターの小倉氏に、メリットとデメリットを改めて聞いてみた。
画像: 空洞になっているヘッド内部に、色々と仕掛けができるのが現代の中空構造のアイアン(写真はイメージ)

空洞になっているヘッド内部に、色々と仕掛けができるのが現代の中空構造のアイアン(写真はイメージ)

ゴルファーが求める理想のアイアンを作ることができる中空構造

クラブフィッター小倉です。今回は、中空構造のアイアンについてです。最近、中空構造のアイアンのラインアップが増えてきています。中空構造とは、文字通り、ヘッド内部が空洞になっていて、内部に色々と仕掛けができる構造です。

中空アイアンは、30年ほど前から存在しますが、昔のモデルは、技術的にできることが限られていて、そこまで高性能なモデルは存在しませんでした。現代の中空アイアンは、技術の進歩によってアイアンに求められる性能をぎゅっと詰め込んだモデルが多いですね。

飛んで曲がらないといった性能を追求するのであれば、フェース裏の下部を深く削ったポケットキャビティ構造のほうが有利です。中空構造だとフェース裏を全部覆う必要があるため、そのぶん重心が高くなってしまいます。中空構造が有利な点は、内部にウレタンなどの充填剤を入れることができるため、打感も追求できること。充填剤は、メーカーによってそれぞれ違いますが、低重心を追求しつつ、高初速エリアを広げながらも、充填剤によって打感を追求できる。まさに現代のゴルファーが求める理想のアイアンを作ることができる構造なのです。

またもうひとつの中空構造のメリットは、マッスルバック然としたカッコイイ形状に仕上げられること。最新の中空アイアンは、どれもマッスルバックのようなシンプルなデザインでいかにも上級者が使っていそうなカッコよさがあります。こういった点からも日本のゴルファーのニーズにばっちりハマる構造なのかなと思います。

そんな弱点のないといっても良い中空アイアンですが、ツアーを戦うトッププロが使用しているかというと、ほんの一部の選手だけです。ツアープロのように細かなボールコントロールを必要とするには、やさしすぎてしまうのでしょう。インテンショナルショットが、クラブの持つやさしさによってかき消されてしまうのだと思います。

そんなシビアな球筋コントロールを必要としないアマチュアゴルファーには、理想に近いアイアンであると思いますが、ゴルファーのニーズによって、構造も素材も変わってきます。ルールの範囲内で、色々なクラブが選べるゴルフは、改めて老若男女問わず楽しめるスポーツだなと思います。ぜひ皆さんも機会があれば、色々なクラブを打ち比べてみてクラブの性能の差を感じてみてください。また違うゴルフの楽しみ方を見つけられるかもしれませんよ。

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