B・ランガーから受け継ぐ「不屈のジャーマン魂」でA・チェイカが優勝
舞台となった最終日のロイヤルポースコールGC(ウェールズ)は真横から雨が吹き付け、台風並みの強風が吹き荒れた難コンディション。先の全米シニアオープンでツアー最多勝利を更新(46勝)したB・ランガーの帽子が飛び、欧州ツアー8度の賞金王C・モンゴメリーが88を叩くなど、70名中26人が80以上を叩く大波乱となった。
そんななか、激しい風雨に耐えたチェイカがスタートホールでいきなりロストボールの洗礼を浴びつつも76にまとめ、75で回ったハリントンと並びプレーオフへ。すると2ホール目でハリントンらしからぬミスが出て、チェイカに勝利を献上。
昨年もD・クラークに1打差で敗れ、戴冠を逃しているハリントン。もし今回リベンジを果たしていれば、史上5人目となる全英&全英シニアのダブルタイトルという快挙だったが、今回もまた無念の準優勝となった。
降り続く雨のなか、トロフィを掲げたチェイカは、「ハリントンを破って、こうしてこの場に立っているなんて信じられない。彼は素晴らしい選手で、この2日間は本当にタフな戦いだった。トロフィに刻まれたレジェンドの仲間入りを果たせたなんて、現実じゃないみたいだ」。
母国の偉大な先輩ランガー(今回は7位タイ)は、「何があっても最後まで絶対に諦めない」が座右の銘だが、チェイカも絶対諦めない精神で「ピンチに素晴らしいパーをセーブできた」と自画自賛。
「こういうタフなコンディションではいいショットを打とうなんて考えても無駄。耐えて拾うゴルフに徹した」というから、不屈のジャーマン魂は先輩から後輩にしっかりと受け継がれているようだ。
ちなみに日本勢は深堀圭一郎が予選落ちに終わったが、藤田寛之は4日間戦い抜き、クラークらと並び33位タイに入った。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月22・29日号「バック9」より