日本で2番目に歴史のあるパブリックコース、富士屋ホテル仙石GC(神奈川)がSDGsに配慮した試みを始めた。
ゴルフ場に「バイオマスボイラー」を導入してCO2削減
同GCは「バイオマスボイラー」2台を新たに導入し、7月22日から稼働を開始。クラブハウスの浴場やレストランの給湯に利用している。
バイオマスとは、動植物など生物を由来とする有機性資源の総称。化石燃料と違い、大気中で新たに二酸化炭素を増加させないとされる。
「ゴルフ場のボイラーは今まで重油を使っていましたが、ウッドチップを利用したバイオマスボイラーに替えることで、CO2の削減を図ります」(富士屋ホテル広報)
化石エネルギー起因二酸化炭素(CO2)排出量のほぼ全量を削減することができ、年間のCO2削減量は約284トンを見込む。
これは約3万2272本の杉の木が1年間に吸収するCO2量に相当するという。
ただ、環境保全はいいが、費用負担が増えるようでは経営は圧迫される。
同GCでは経済産業省の「令和4年度先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金」を活用。費8割ほどを補助金で賄うことができたという。
また、ウッドチップは箱根の間伐材などを利用し、燃料として安く仕入れられるというメリットもある。
「ウッドチップにすることで、4割ほど燃料費を削減できます。補助金制度も利用し、10年くらいで償却できるとの判断から導入を決めました」(同広報)
バイオマスボイラーはレイクウッドGCサンパーク明野C(山梨)でも稼働しているが、神奈川では初。
「視察したい」と他社からの問い合わせもあり、この事例が他コースにも広がるかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月22・29日合併号「バック9」より