ひじ先の回転を使った”手打ち”には、飛距離が伸びるだけでなくさらに大きなメリットがあると、USGTF公認ティーチングプロで飛ばしの専門家の服部公翼プロ。後編では「ひじ先回転」打法のさらなるメリット、そして3つの練習ドリルをご紹介!
画像: 米シニアツアー通算46勝目をメジャーで勝ち取ったベルンハルト・ランガー。「シニアの選手はみんな腕の使い方が上手い」と服部プロ。バンカーや傾斜地など実戦こそ、「ひじ先の回転」が生かされる

米シニアツアー通算46勝目をメジャーで勝ち取ったベルンハルト・ランガー。「シニアの選手はみんな腕の使い方が上手い」と服部プロ。バンカーや傾斜地など実戦こそ、「ひじ先の回転」が生かされる

ひじ先の回転が使えるとスコアもよくなり、体への負担も減る

「私はドライバーで平均300Yですが、椅子に座って打っても250Yは飛ばせます。それだけ腕の振りが重要なことがわかると思いますが、実は実戦でこそ、ひじ先の回転が生かされるんです。 

ラウンドでは足が使えない状況は多いです。たとえば、傾斜地からのショット。傾斜が強いほど、両足で踏ん張らなくてはならず、そんな状況では、手で打つしかありません。足場が安定しないバンカーやラフもそうですし、林の中からのトラブルショットも同様です。とくにアマチュアはボールも散らばりがちですから、手打ちが大きく役立つわけです。 

ただ、ひとつだけデメリットがあります。それがフェースの開閉が増えることです。そのためフェース面の管理が必要になりますが、おすすめはスクエアグリップにすることです。いま流行りのストロンググリップはフェースの開閉が少ないスウィングに合うので、スクエアもしくはウィークグリップにすると相性もいいです」(服部プロ)

ひじ先の回転による手打ちは、飛距離だけでなく、スコアにも直結する。さらに効率のいい腕使いができるようになると体への負担は大幅に減る。

そうすれば長くゴルフを楽しむことも可能なのだ。

ひじ先の回転がマスターできる3つのドリルとストレッチ

では、ひじ先の回転はどうマスターすればいいか? 

服部プロに3つのドリルを教えてもらった。

「基本は下半身が使えない状況で素振りをしたり、ボールを打つ練習が有効です。椅子に座ってボールを打つのもいいですし、ひざ立ちでボールを打ってもいいです。とにかく下半身は使わず、腕の振りだけを強化していけば、ひじ先の回転も自然に身についていくはずです」

ドリル① 腕だけで高速連続素振り

画像: ドライバーのスタンスで構え、下半身は固定したまま、腕だけで左右に高速素振りを繰り返すドリルで、ひじの畳み方が学べる

ドライバーのスタンスで構え、下半身は固定したまま、腕だけで左右に高速素振りを繰り返すドリルで、ひじの畳み方が学べる

ドライバーのスタンスで構え、下半身は固定したまま、腕だけで左右に高速素振りを繰り返す。

トップにおける右ひじの回外、フォローにおける左ひじの回外という、スウィング軌道が整う、ひじの畳み方がマスターできる。

ドリル② 右手の親指を浮かせてボールを打つ

画像: 右手の親指を浮かせてボールを打つドリルで、手首の角度が保てるようになる

右手の親指を浮かせてボールを打つドリルで、手首の角度が保てるようになる

このドリルの目的は手首の角度とグリップ内のテコ、その両方を感覚としてつかむこと。

アマチュアは右手主導になりやすく、右手で押す動きが強い。

それを防ぐには右手の親指を浮かせるのが有効だ。

ドリル③ ナロー&ワイドスタンスで打つ

画像: ナロースタンスとワイドスタンスで下半身が使えないような状態を作り、素振りやボールを打つことで、ひじ先を使った理想的な手打ちが身につく

ナロースタンスとワイドスタンスで下半身が使えないような状態を作り、素振りやボールを打つことで、ひじ先を使った理想的な手打ちが身につく

ナロー(狭い)、ワイド(広い)スタンスにすることで、下半身が使えない状態を作る。

その姿勢で素振り&ボールを打つ。

ボールを真っすぐ飛ばせれば、ひじ先の回転(理想的な手打ち)はパーフェクトだ。

ストレッチ ヘッドを回すようにひじ先を回内&回外させる

画像: ひじ先を回転させる前にストレッチをしておくと効果大だ

ひじ先を回転させる前にストレッチをしておくと効果大だ

シャフトのセンター付近を持ってヘッドを回すようにひじ先を回内&回外させたり、ひじの外側にシャフトを当て、回外のストレッチをしておこう。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Blue Sky Photos

THANKS/オークラランドゴルフ練習場

※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月15日号「飛ばしのコツはひじ先の回転にある」より

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