猛暑とはいえ、ゴルファーは皆、ラウンドをしたい。少しでも涼しいコースやサービスはないか、識者やアマチュアゴルファーに聞いてみた。
画像: 涼しさを求めるならやっぱり北海道? 日本で2番目に北にある北海道の稚内カントリークラブは風が吹くので夏でも日によっては寒さを感じることも

涼しさを求めるならやっぱり北海道? 日本で2番目に北にある北海道の稚内カントリークラブは風が吹くので夏でも日によっては寒さを感じることも

関東近郊でオススメは、南房総エリア、北茨城、草津、八ヶ岳周辺…

●意外なのは千葉県にある勝浦東急GC

何といっても北海道です。釧路にある阿寒カントリークラブは、真夏でも朝夕は薄手のセーターが必要なくらいです。東京から近いところで挙げると、長野県にある富士見高原ゴルフコースですかね。パブリック選手権の会場としてよく行っていました。食堂では地元で採れる高原野菜、レタスなどが食べ放題。あの冷やされたレタスの甘さは忘れられません。高原野菜といえば、嬬恋村の嬬恋高原ゴルフ場のキャベツもおいしいです。草津カントリークラブは標高1050m。基本的に28℃を上回ることはありません。草津温泉も堪能できます。

意外なのは千葉県にある勝浦東急ゴルフクラブです。夏の都心より平均2℃~4℃低いというのは知ってましたか? 南房総の勝浦は海底が深く、海水が温まりにくく、海風も涼しいというのが理由らしいです。茨城県のセゴビアGCインチヨダで、冷風が吹き付けるカートに乗りましたが、やりすぎな感じはしました。打球が入って来るのを防止するため、カートの前の窓を固定して開けられないようにしているのは、ちょっとどうかなと思いましたね。(タケ小山、プロゴルファー・テレビ解説者、東京都)

画像: 「夏、涼しい」と移住地としても話題の勝浦にある勝浦東急GC

「夏、涼しい」と移住地としても話題の勝浦にある勝浦東急GC

●「夏、涼しいから」と館山のメンバーになった!? 
関東近郊で涼しいといえば、千葉県の勝浦東急や館山カントリークラブを思い出しますね。とあるプロゴルファーが「夏、涼しいから」と館山のメンバーになったと聞きました。(40代男性、東京都)

●関西であえて推すなら和歌山の南紀白浜GC

北海道の試合で小樽CCは何度か行きましたが、樹木が密集しているので風が通らず、さほど涼しいとは感じませんでした。札幌近辺のコースで涼しいと思ったことはあまりないです。PGAの最終プロテスト会場になる登別CCは涼しかったですね。

関西のコースで気温の低いところはないといっても過言ではないです。日本海側に抜けても、むしろ暑いくらいですし。あえて推すなら和歌山の南紀白浜ゴルフクラブです。海風が吹き抜けるので実際の気温より体感温度が低く感じるのではないでしょうか。僕が所属している鳴尾GCでは、かき氷や冷たい麦茶のサービスなどをやっていますが、基本的に35℃を超したらゴルフはやりません。いくらゴルフが好きでも命までかけてやることではないでしょう。(水巻善典、プロゴルファー、兵庫県)

●軽井沢付近の1万円以下ベスト3

涼しいといえば軽井沢ですよね。標高が1000mほどあるので確かに都心よりは涼しいでしょうが、何せ夏季料金は高いんです。軽井沢ゴルフクラブなら3万円は超えるし、軽井沢72でも2万円くらいはするでしょう。

そこで、軽井沢付近で涼しく、プレーフィー1万円以内のマイベスト3を挙げてみましょう。まず、群馬県の嬬恋高原ゴルフ場は標高1100m。コースも本格的で、雨以外の日はカートもフェアウェイ乗り入れOK。上級者も楽しめます。

次に、長野県の望月リソルゴルフクラブ。標高984mです。この間、8時スタートでハーフを終え9時半に上がってきたら、レストランの営業開始までまだ30分あったんですね。でも、オープンまで、朝採れキャベツが食べ放題。ドレッシングも何種類かありました。新鮮な野菜が体の熱を取ってくれる感じがしました。

3つ目は、長野県の佐久リゾートゴルフクラブ。標高1000m。ジャンボ尾崎監修のコースで、さすがに戦略的にタフな造形でした。「友の会」に入っていれば、クラブハウス前のプリンスホテルの温泉に入れるサービス券がもらえ、ビジターには割引券も。木陰も多く涼しさが演出されています。

あと、長野県の浅間高原カントリークラブ、標高915m。長野県の小諸高原ゴルフクラブも標高915mで、いいですね。(石井米二郎、ゴルフ場運営コンサルタント、長野県)

●小田原城CCの”ティー”は気持ちいい

神奈川県の小田原城カントリークラブは、約100メートルの打ち下ろしという名物ホールがあり、ティーイングエリアに立つと風が気持ちいいです。ランチはこちらも名物のアジフライで決まりです。(50代男性、神奈川県)

●九州は大分の城島高原GCや阿蘇山麓にあるコース

九州で涼しいコースといえば、私の所属先の城島高原ゴルフクラブでしょう。湯布院と別府のちょうど真ん中に位置し、由布岳と鶴見岳からの凉風は真夏でもひんやりしています。木陰も多く、直射日光を避けながらプレーができるということで、夏季でも連日50組くらいが訪れていますよ。標高633mで、下界の別府市からすると4℃は違います。

また阿蘇山麓にあるコースは標高からいっても涼しいところばかり。あつまる阿蘇赤水ゴルフクラブは赤星四郎設計、くまもと阿蘇カントリークラブは井上誠一監修。自然の造形を生かしたレイアウトは上級者には攻略のしがいがあると感じます。ほかにも阿蘇東急ゴルフクラブ、由布高原カントリークラブなどがお薦めです。(鈴木規夫、プロゴルファー、大分県)

●御殿場エリアで東富士CC

北海道出身として、お薦めは日本で2番目に北にある稚内カントリークラブ。風力発電が行われるくらい風が強く、樹木がほとんどないこともあり、風が通るのもポイント。海が近くないのでリンクスとはいえませんが、風景はスコットランドのリンクスそのもの。

もう1つ、北海道でいうなら最東端の根室ゴルフクラブ。ここは海が近く、樹木もほとんどないので、リンクスそのものといえるでしょう。2コースとも風がほぼ毎日吹くので、気温以上に体感温度は低いですね。

関東で都心に近いといえば、御殿場ですかね。標高616mの東富士カントリークラブ(静岡県)がお薦めです。富士山を望む景観も涼やかです。あと、夏の涼しいサービスといえば、冷たいおしぼり、麦茶、カートのフェアウェイ乗り入れOKなどは10年前だと新鮮でしたが、今は普通な感じがしますね。(菊地英樹、ゴルフ場経営コンサルタント)

●北茨城は同じ茨城の水戸から比べると2℃は低い

ウチは海から2〜3キロのところにありますが、海風が冷たいんです。茨城北部の海は黒潮ではなく、寒冷な親潮の影響が強く、海流そのものが温度が低いからだといわれています。木陰も多いので日影を渡る風が、涼しい原因ではないでしょうか。まあ1年を通じて天候不順もあって、年間平均温度を下げているせいもあるでしょうが。ウチだけでなく、北茨城の海岸線にあるコースはそうだと思いますよ。(緑川敏昭、茨城パシフィックCC支配人)

※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月22・29日合併号「山を動かす~ここが涼しい! あなたのお薦めゴルフ場は?」より

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