ジョーダン・スピースがサンドイッチを"おすそ分け"
会場のTPCサウスウィンド(メンフィス)はその週、熱波に見舞われ、選手たちは水分とエネルギー補給に追われていた。そんななか、第1ラウンドで63のロケットスタートを切ったスピースはそのまま上位争いを続け、今季初優勝を狙えるポジションをキープ。
ファンから称賛されたシーンが目撃されたのは大会3日目。16番ホールでフェアウェイ中央に309ヤードのティーショットを打った直後、スピースはエネルギー補給のため、バッグからサンドイッチを取り出した。
すると、すかさずギャラリーのひとりが「おやつでも食べているの?」と声をかけた。そのあとのスピースの反応が振るっていた。
「半分食べる? ピーナッツバターとバナナのサンドイッチなんだけど」
そういうと、サンドイッチを半分に割ってファンに差し出したのだ。もらったファンはもちろん、周囲の人々全員が笑顔に。SNSに投稿された写真には、「スピースらしい」「徳を積んでいる」「私ももらいたかった」などの反響が。
試合中は常に極度の緊張状態にあると思われがちだが、周囲を気遣う選手もいる。たとえばE・エルスは優勝争いの最中、ファンの子供に「ジュース飲む?」とドリンクを差し出した。しかしサンドイッチをシェアする選手はスピースくらいかもしれない。
カーリングの女子日本代表や渋野日向子がAIG全英オープンで優勝したときも試合中の”もぐもぐタイム”が話題になった。スポーツ選手にとって食事以外の補食は「生産効率を上げる」という専門家の意見もある。もぐもぐタイム中の選手に声をかけたらスピースのファンのような幸運が訪れるかも?
とはいえスピースの優勝はお預けとなり、6位タイに終わった。うーん、徳を積んだのに残念。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月5日号「バック9」より