フィッツパトリック兄弟いわく「性格は正反対」
ダブル優勝とはならなかったが、ともに2位の好成績。最終日を首位タイで迎えたマシューは61をマークしたビクトル・ホブランに逆転を許し2位タイにとどまったが、ポイントランク40 位から10 位に浮上。トップ30 圏外から唯一最終戦進出を決める勝負強さを発揮した。
一方、アレックスは終始上位をキープしたが、一歩及ばず単独2位。欧州の下部ツアーで8月6日に優勝した勢いそのまま、レギュラーツアーでのキャリアベストを記録した。
2人が有名になったのは22年の全米オープン。兄のメジャー優勝の瞬間、本人以上に興奮した弟の姿が繰り返し放映され、一躍時の人に。当時アレックスはウェイクフォレスト大を卒業したて。直後の22 年6月に世界アマチュアゴルフランキング4位でプロに転向した。
そして今年の全英オープンの予選会を突破し、兄弟出場が実現。兄が10年前に勝った全米アマではキャディを務め、自身の同大会の最高位は4位と常に兄の後塵(こうじん)を拝し、どこにいても「マシューはどこ?」「お兄さんは元気?」と聞かれてきた弟だったが、全英では立場が逆転。3日目アレックスは9位タイとリーダーボードの1枚目に名を連ね、初メジャーの成績は17 位タイ。41 位タイに終わった兄に4打差をつけた。
本人たちに言わせると、性格は正反対。「僕は几帳面だけれど弟は違う」。プレースタイルもドライバーとパターでスコアを作っていく兄に対し、弟の生命線はショートゲーム。そんな彼らがよく聞かれるのは、「最終日最終組で優勝争いしたい?」という質問。「考えただけで悪夢だね」と笑うマシューだが、これまで兄の陰に隠れてきた弟は“兄超え"が目標とか。
いずれどこかで兄弟の直接対決が見られるかも!?
※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月12日号「バック9」より