「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回は女子プロの間で体積が460ccよりも少し小さなドライバーが流行っている理由を教えてもらった。
画像: 小祝さくらのドライバーは450㏄の「スリクソンZX7 MkⅡ」。女子プロが”ちょい小ぶり”を好む理由とは?(Photo/Hiroyuki Okazawa)

小祝さくらのドライバーは450㏄の「スリクソンZX7 MkⅡ」。女子プロが”ちょい小ぶり”を好む理由とは?(Photo/Hiroyuki Okazawa)

フェースの開閉を使うタイプには、やっぱりいい

みんゴル取材班(以下、み):450ccの「パラダイム ◆◆◆」や「スリクソンZX7 MkⅡ」、455㏄の「B1ST」などが女子プロに人気です。少し小ぶりなドライバーを女子プロが好む理由はどこにあると思いますか。

宮城:一般的にフェースの開閉を使うタイプのゴルファーには、小ぶりで追従性の高いヘッドがマッチします。一方、PGAのトップ選手のようにシャットに使うタイプなら大きかろうが小さかろうが関係ありません。

み:女子プロも同じ理由ですか。

宮城:日本の女子プロの場合はもうひとつ理由があります。子どものころからヘッドを下から入れアッパーに当てる打ち方をしています。ディロフトさせながら右から回してドローで飛ばすので、球がつかまらないと右にすっぽ抜けてしまう。だから、つかまるヘッドが必要になってきます。

み:普通の男性アマチュアでも小ぶりなドライバーは使えますか。

宮城:女子プロが打てるのですから、十分打てます。とくにアームローテーションを使ってスウィングを練習してきた人には、メリットが大きいでしょう。ミスのほとんどが右方向という人にもおすすめです。

み:そういうタイプには460ccのドライバーは不向きでしょうか。

宮城:同じ460ccでもピンのように投影面積を広げたタイプとタイトリストのようにディープなタイプがあります。ディープなヘッドならフェースが戻りやすいので球はつかまります。

み:ディープなヘッドはなんとなく難しいクラブ、というイメージがあります。

宮城:シャローなヘッドは芝の上から打つ場合にやさしいですが、ティーアップして使うドライバーは実はディープなほうが上下のミスに強いので簡単です。それにいまのドライバーはディープでも重心が深いので左右のミスにもけっこう強くなっています。

み:ところで今年の月刊ゴルフダイジェスト(23年10月号)の『D1グランプリ』では「パラダイム ◆◆◆」が優勝しました。宮城さんはどう評価していますか。

宮城:最近のドライバーは技術が進歩しすぎて、ゴルファーの感覚がついていけないものもあります。でも「パラダイム ◆◆◆」は極端に後ろが重くないので違和感なく振れます。構えてみても、小さく感じないし、作り方は上手いなと思います。

み:普通のアマチュアにもおすすめできますか。

宮城:「パラダイム ◆◆◆」は標準で前に2グラム、後ろに14グラムのウェイトがついていますが、女子プロはけっこうウェイトを入れ替えて前を重くしています。そうすると球が落ち着きます。上がりづらくなる分、ロフトを10.5度にすれば最大飛距離を出しやすくなります。

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