主催者の企業努力で賑わった大会で起きたTV解説の失態
同大会の集客術が際立っている。
今年、ギャラリー数は4日間通じて合計2万675人、最終日の9449人は今年の男女ツアーを合わせても最多記録だった。
平均でコロナ禍前の19年、1万4343人、昨年も1万3187人と動員数に伸び悩んだ男子ツアーにあって、抜群の観客数を誇っている。
これはやはり、主催者側による数々のイベントが奏功したと見るべきだろう。
「Wish村」では、日ごとに福岡県の20市町村の特産物を販売。土日はバルーン広場から気球が飛び立ち、気球に乗った100人の観客が空を舞った。「12番DJホール」ではBGMとDJが実況。
ほかにもご当地アイドルHKT48によるスペシャルライブやヨガ体験など、イベントがてんこ盛り。
観客を呼び込むための企業努力が半端ないのだ。
もう1題はTV中継での解説とアナの……これは失態!?
優勝したソン・ヨンハンは最終ホールのティーショットを曲げ、右ラフでつま先上がりのライへ。アイアンで打った2打目が右足ふくらはぎへ当たってしまった。
これをTVカメラが映し出したのを見て、解説・青木功が「2ペナかも」と言うと、アナも「上がってから大変なことになる」などと口走ったのだ。
ルールを熟知した視聴者は「青木さんは知らなかったのでは」と悟るところであろう。
いわゆる“ラブ・オブ・ザ・グリーン"のルールだ。
「プレーヤーの球が自分自身かパートナーに当たった場合1罰打」というルールは、19年の改正で「無罰」に変わっている。
それを知らなかったと推察されるのだ。
特にプレーが止められることはなかったことから、2人以外……現場にいた関係者や選手自身、同伴競技者はわかっていたということ。
単なる勘違いにしても、ちょっとお粗末な話だ。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月19日号「バック9」より