女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。そのゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第23話は、小祝さくらへファンの声を直接伝えてみたら…。

小祝さくらは、自己評価がとても低い。ツアー9勝の人気プロになった今でもそれは変わらない。しかし、先日、週刊ゴルフダイジェストで行った「好きなプロアンケート」では女子プロ部門の2位に選ばれた。これについて感想を聞くと、「2位で十分です。自分が2位なのも申し訳ないって感じ。もっといい選手はいっぱいいますから……」。小祝が好きな理由に、「プレーが早いこと」を挙げる方が多かった。

「意識はしていないんですけど、構えたときに、ムダなことを考えず、チャチャッと打つというのはあります。いろいろ考えすぎちゃうのはよくないし、イヤなので、決めたらすぐに打つという感じ。そこは、いつも同じようにしようと気を付けてはいます。でも、たとえば同伴競技者が遅いとしても、その人のぶん自分が急ごうと思ってもムリがある。そういうときは諦めてあまり気にせずプレーすることにしています」

ジュニア時代はもっとプレーが早かったらしい。「今これでも遅くなったんです。アマチュアのときは本当に何も考えてなかったのかもしれないです(笑)」

画像: 小祝さくらは老若男女に好かれる。プレーファスト、天然……本人は意識していないからこそ、魅力になる。「何も考えてないんじゃないんですよ。考えすぎるとよくないんです!」(本人)

小祝さくらは老若男女に好かれる。プレーファスト、天然……本人は意識していないからこそ、魅力になる。「何も考えてないんじゃないんですよ。考えすぎるとよくないんです!」(本人)

また、小祝を好きな理由には、「娘にしたい、孫にしたい」という声も多く、女性ファンも多い。「ふふふ、嬉しいです。確かに私のファンの方は、年齢が高めの方も多いなって感じていました。昔から、おじいちゃんやおばあちゃんに可愛がられるタイプなんですよ。でも今、ゴルフブームもあって、若い方や同世代の子たちの応援も少しずつ増えていると感じて、それもすごく嬉しいです」

「天然発言が多いのにゴルフは切れる」という声を伝えると、「よく‟天然”だと言われるんですけど、初めて会った人に『こんなにしゃべるんだね』と言われることも多いんですよ。もっとゆっくりしゃべる、物静かだ、というイメージを持たれているみたいです。だけど実際は、『意外とせっかちでよくしゃべるねえ』と言われるので……ギャップがあるんだなあと。あとは、けっこう思ったことを言っちゃうから。『グイグイ来るねえ』とも言われます(笑)」

小祝さくらが物事をストレートに発言しても、嫌みはない。それに自身は、自分の発言がインターネットなどで面白おかしく取り上げられることも、気にならないという。嘘がないから、飾ることもないのだ。

プレー中、ファンの皆さんの声援はしっかり聞こえているという。「お子さんや、中高大学生の子たちが応援についてくれて、私のタオルを持ってくれたりしたら、すごく嬉しいですし、自分のプレーの順番ではなかったら暇なので、ギャラリーはけっこう見ていますね」。皆さん、さりげなくアピールしながら応援しよう。小祝さくらがきっと見つけてくれるに違いない。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月12月号より(PHOTO/Tadashi Anezaki)

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