キャディの制服のデザインを福井文化服装学院の学生たちに依頼
芦原(あわら)GCでは大会開催をきっかけとしてキャディの制服を一新するが、その概要は以下の通りだ。
福井県の主な産業としては繊維工業、水産業、農業、眼鏡産業などがある。
特に繊維の分野では人絹(じんけん)織物の黄金時代を経て、現在では合成繊維をはじめとした関連業種が集積した総合産地を形成している。
また、眼鏡産業も有名で、鯖江市を中心に生産された眼鏡フレームは全国生産の90%を占める。
「現在のキャディの制服は10数年前からで、これを一新する話が持ち上がったのは、日本女子オープン開催が決まった18年頃でした。これを機に、すべて地元産業を導入して作ろうと考えたのです」(芦原GC支配人・宮北勝栄氏)
まずデザインを福井文化服装学院の学生たちに依頼。
芝生をイメージしたグリーンと海をモチーフにしたブルーを基調とし、大きなポケットで機能性にも配慮した。
生地は紫外線を跳ね返す高機能素材で、地元繊維企業が開発。制服に合わせ、サングラスも用意した。
鯖江市の企業が開発したレンズは、眩まぶしさを抑え、ボールやマーカーを見つけやすい特殊なコーティングが施されている。
同GCは1961年開場、設計は丸毛信勝。
日本女子OPは83年にも開催しているが、コースが時代に合わなくなったとして、改修も行った。まずは舞台となる海コースの2グリーンを1グリーンに。
「開場当時の写真が残っていましたので、なるべく再現できるように、枯れ松や密集した松を伐採し、シーサイドコースらしく海が見えるようにしました。また、ドライバーショットのランディング地点には、バンカーなどを配置しました」(前出・宮北氏)
キャディの地域色豊かな新制服、レストア(復元)されたコースと楽しみな同オープンの開幕ではある。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月26日号「バック9」より