「住友生命レディス東海クラシック」でツアー2勝目を飾った岩井明愛。「優勝を考えず自分のゴルフをする」とプレーに集中し、2勝目を成し遂げた。みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修がそのスウィングを解説。

残暑厳しい3日間になりましたが、ギャラリー数は初日から5000人を超え、2日、3日目は8000人近く入り、大歓声が響き渡りました。

米女子ツアーから帰国参戦した西村優奈選手は最終日に66でプレーし3位タイに食い込み笑顔でフィニッシュ。一方の古江彩佳選手は残念ながら予選落ちとなりましたが、「日本女子オープン」「富士通レディース」と出場するようなので、今後の活躍に期待しましょう。

2位が5回あっても「2勝目を自分でもできないと思っていた」という不安に打ち勝った

優勝した岩井明愛選手は、4月の「KKT杯バンテリン」での初優勝から2位が5回、3位が1回、4位が2回と何度も優勝の扉をノックし続けていましたが、「2勝目をできるかできないか、本当は自分もできないと思っていたので、不安との戦いもあって、ホッとした部分が大きいです」と優勝会見で話しました。

画像: 「住友生命レディス東海クラシック」で2勝目を飾った岩井明愛(写真/大澤進二)

「住友生命レディス東海クラシック」で2勝目を飾った岩井明愛(写真/大澤進二)

今週の明愛選手は、初日にコースレコードタイの8アンダーを叩き出し、ショット、パットともに好調さをアピール。「優勝は考えません。自分のゴルフに集中してプレーするだけです」と優勝を考えると体が思うように動かなくなることをこれまでの経験から学び、勝つために自分のゴルフを貫こうとする強い意志を感じていました。

2日目は順調にスコアを伸ばしたものの難ホールの13番、14番のパー4でボギー、ダブルボギーとつまづきますが後続に3打のリードを持って最終日に臨んでいました。

ドライビングディスタンス計測ホールにもなっている12番パー5では270ヤードを越えるショットを放ち、2打目を直ドラで2オンを狙いバーディを奪う、という飛距離を生かしたプレーでスコアを伸ばします。3日間トータルの飛距離も265.333ヤードで全体の1位を記録し、好調なドライバーが2勝目につながりました。

画像: 好調なドライバーショットで飛距離を生かしたゴルフでアドバンテージを築いた

好調なドライバーショットで飛距離を生かしたゴルフでアドバンテージを築いた

グリーンが柔らかく止まるコンディションだったことと、パー3は長めの設定でしたが、パー4は比較的短めの設定だったこともあり、ウェッジでピンを狙うシーンが多く見られました。そのウェッジの距離感と方向性がバーディチャンスを作るカギになったことは言うまでもありません。

流れるようなスウィングは切り返しで左に乗ってからターンする

PWのスウィングを見てみると、オーソドックスなスクェアグリップで握り、地面と左腕が平行な位置でクラブとの角度は90度、その角度をキープしたまま上半身をねじりトップを作ります。右への移動は少なく頭の位置もほとんど動きません。フェースの向きはシャットに使わずにナチュラルに開閉しています。

画像: オーソドックスなスクェアグリップで握り、テークバックではナチュラルにフェースを開閉させる

オーソドックスなスクェアグリップで握り、テークバックではナチュラルにフェースを開閉させる

切り返しでしっかりと左に乗せながらダウンスウィングに入るので、スウィングの全体像は流れるように振り抜いて見えます。左への横方向、回転力、縦の反力や腕を振るバランスに優れたスウィングと言えるでしょう。

画像: 切り返しで左に乗ってからターンするので流れるようなよどみのないスウィングが特徴

切り返しで左に乗ってからターンするので流れるようなよどみのないスウィングが特徴

最終日の191ヤードに設定された16番パー3では、ロフト角21度の飛び系の5番アイアン、ヨネックス「EZONE FS」を振り抜き70センチほどにつけるスーパーショットを披露。

続く短めの17番パー4のティーショットでも同じクラブでフェアウェイを捉えました。コースセッティングによって同じ「EZONE FS」の5番と6番を入れ替えてセッティングしていますが、今週は5番をバッグに入れたことで長めに設定されたパー3と短めのパー4で強さを発揮していました。

画像: 飛び系のアイアンヨネックス「EZONE FS」の5番と6番をコースセッティングによって使い分ける

飛び系のアイアンヨネックス「EZONE FS」の5番と6番をコースセッティングによって使い分ける

2勝目を飾り、ポイントランク首位をゆく申ジエ選手との差は240Pあまり、2位の山下美夢有選手との差は160Pあまりと、女王を狙える位置にも上がって来ています。後半戦が益々楽しみになって来ました。

This article is a sponsored article by
''.