ツアー通算82勝のタイガー・ウッズは四半世紀に渡るプロ人生で信じられないようなスーパーショットを連発してきた。デビュー間もない97年のグレーターミルウォーキーオープン14番のホールインワン、01年に太平洋御殿場でおこなわれたワールドカップ最終日18番のチップイン。オーガスタナショナルの16番で決めた直角に曲がる距離の長いバーディパットなどなど。誰もが彼の想像を超えるショットに酔いしれたもの。しかし本人が生涯ナンバー1に選んだのは意外な1打だった。

テーラーメイドの公式X(旧ツイッター)がタイガーを直撃しこれまで打った最高のショットは? という質問を投げかけた。すると彼は躊躇することなく「2002年ヘイゼルティン(全米プロゴルフ選手権)の18番、フェアウェイバンカーからのショット」と回答した。

画像: タイガー自身が選ぶ、生涯ナンバー1のショットとは?(写真は2022年のマスターズ 撮影/Blue Sky Photos)

タイガー自身が選ぶ、生涯ナンバー1のショットとは?(写真は2022年のマスターズ 撮影/Blue Sky Photos)

ティーショットが左のフェアウェイバンカーの左端につかまり目の前には木々が立ちはだかる難しい状況。そこから彼は3番アイアンでピン奥3メートルにのせるのだが、このショットには当時の中継解説者が「これまで見たなかで一番素晴らしい1打!」と繰り返し大興奮。タイガー本人もフェアウェイを歩きながら満面の笑みを浮かべていた。

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「あれほどソリッドなコンタクト(ヘッドの真芯で打った)をしたことはない」と本人。優勝は元携帯電話のセールスマン、リッチ・ビームに譲ったが、3番アイアンで放った会心の当たりの感触はいまでもタイガーの記憶に残っているようだ。

やはりスーパーショットを量産したスペインのカリスマ、セベ・バレステロスに会心の1打を尋ねたことがある。

「スーパーショットはいっぱいあり過ぎてわからない」といった彼のチャーミングの笑顔が忘れられない。強いていうなら? と食い下がると81年のダンロップフェニックスで優勝争いをしていた際、左の松林から前方のわずかな隙間を縫って残り183ヤードをフックでグリーンオンさせたショットを挙げた。取材したのがフェニックスの会場だったこともあるが本人のいう通り奇跡のスーパーショットは枚挙に遑がない。

全英オープンでかの有名な駐車場ショットが誕生したのは79年のロイヤルリザム&セントアンズ大会。16番パー4でフェアウェイ右の臨時駐車場に打ち込み、そこからスタイミーなピンを狙ってバーディを奪った1打はいまでも世界中のゴルフファンの間で語り継がれている。

タイガーの生涯最高の1打もセベのそれもティーショットを曲げピンチに陥った状態で飛び出している。ゴルフは球を曲げてからが面白い!?

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