手のケアをしないと、パットの感覚も鈍る!?
大谷翔平など野球のピッチャーが「爪が割れたので降板した」というニュースを聞いたことがあるだろう。
「え、爪が割れたくらいで?」と思った人もいるかもしれないが「爪が割れた状態でいいパフォーマンスは期待できません。特にピッチャーはそうだと思います」と、爪やハンドケアのスペシャリスト・山本美樹さん。
それはゴルファーも同じこと。
爪が割れていればショットの際に気になるし痛みが出る場合も。
手のひらが角質化して硬くなっていれば、パットの際の感覚も鈍るかもしれない。
もちろん、シミだらけでカサカサ、爪が汚れているような手では見た目も悪く、ビジネスマンなら信用問題だ。
昨今、アルコール消毒のしすぎで手荒れに悩む人が増えているという。手と爪のケア、女性だけのものだと思ったらとんでもない。
日焼け止めは顔だけでなく手にも塗る習慣をつけよう
手も爪も、ケア方法はスキンケアと同じで難しくない。
顔に化粧水をたっぷりつけるように、手や爪にもたっぷりつけて保湿するだけ。
「もちろんハンドクリームでOKです。塗る際は、手のひらや甲だけでなく、爪にも塗ること。顔に化粧水や乳液を塗るのが習慣になっている方だったら、その際に手や爪にものばすようにしてください」(山本さん、以下同)
タイミングもスキンケアと同じで「入浴後がゴールデンタイム。手も爪も水分をたっぷり含んだ状態なので、クリームも浸透しやすいんです」。
そのほか、こまめに塗るのもポイントなので、ハンドクリームを洗面台、リビング、玄関など、複数の場所に置いて、気付いたら塗るというふうに、ハンドケアを習慣にできたらしめたもの。
ゴルファーなら、ラウンドバッグにハンドクリームを入れておくのもいいだろう。
手がカサカサになるのは、乾燥した冬のイメージだが……。
「夏は紫外線によるダメージをすごく受けているので要注意です」
紫外線ダメージは蓄積されるので、年齢を重ねてからシワシワになり、シミだらけの手になってしまう恐れも……。日焼け止めは顔だけでなく手にも塗る習慣をつけよう。
汗をかく季節でもあるので、ラウンド後はしっかり手を洗い、ハンドクリームでケア。もし余裕があるようなら
「自宅でスクラブをしてみてください。汚れやたまった角質が取れて、パッと明るくなります」
市販されているスクラブ剤で、湿らせた手肌をマッサージするだけ。その後、化粧水やハンドクリームでケアするのが王道だ。
ハンドクリームを塗る際、人さし指と親指の間(指の股)をグッと押すつぼ押しマッサージもおすすめ。
「手も凝るんですよ。つぼ押しマッサージで血流をアップしましょう」
凝った手ではパットも決まらない。気持ちもいいのでぜひトライして。
爪は健康状態のバロメーター
次に、爪について。残念ながら爪も老化する。
手の爪を見てみて、縦のラインが目立っていたら老化サインだ。
「縦線は顔のシワと同じなんです。それだけで老けた印象になるので、化粧水やハンドクリームでしっかりケアしてください」
ただ、横線が入っている場合は、ものにぶつけたことによる損傷だったり、体調不良のサインだったりする恐れもあるので要注意。爪は健康状態のバロメーターでもある。
白っぽかったり紫っぽかったりするのも血行不良の表れなので、常にチェックするようにしよう。
爪がはがれてしまう二枚爪もやっかいだ。
爪は一枚のように見えて、実は三層でできている。水分や油分がない爪は、爪切りの際などに上の層がはがれて二枚爪になってしまうことがある。
健康な爪を育てるにはクリームなどによる外からのケアに加え、インナーケアとして
「タンパク質を摂取することです。爪というとカルシウムというイメージかもしれませんが主成分はタンパク質なんです」
肉や魚、豆などで動物性、植物性共にしっかりチャージしよう。また、
「乾燥した状態の爪ははがれやすくなっているので、爪を切るならお風呂上がりがいいですね」
爪切り+爪やすり(ネイルファイル)なら、きれいに整えられるが、爪切りは風呂上がりなど爪が水分を含んでいる時にするのに適している一方、やすりがけは乾いた状態でするのが適している。水分を含んだ爪だと削りすぎる場合があるので注意を。
また、ささくれができたら専用のニッパーでカットしよう。無理に引きちぎってしまうと、思いのほか痛くてラウンドどころではなくなってしまう。
爪の縦線はシワと同じなので老けた印象になると前述したが、ツヤのなさも同様だ。ケア方法としては化粧水やハンドクリームにさらにオイルをプラスしたり、市販の爪磨き(ネイルバッファー)を使ってもいい。ハンドケアと違い、すぐにツヤッとなり成果が目に見えるのがうれしい。
ハンドクリームや角質落としのスクラブ、爪やすり、爪磨きなどはドラッグストアで簡単に手に入るほか、ネットで検索すれば驚くほど多彩なアイテムがある。妻や娘と情報共有すれば、話のタネにもなる。
男性の"手のケア"は欧米のビジネスパーソンの間では常識
爪は、野球のピッチャーが熱心にケアするなどアスリートがパフォーマンスをアップするための重要なポイントであるほか、人となりを表す部分でもある。
山本さんは銀座にサロンを構えているが
「お客さまは女性だけではありません。男性で定期的に通っていらっしゃる方が何人もいらっしゃいます。皆さん、一流のビジネスパーソンで、手のイメージが人に与える影響をよくわかっていらっしゃるんです。ネイルアートではなくネイルとハンドのケアが中心ですが、さり気なくフレンチネイル(爪の先端だけ色を付ける)をしていらっしゃる方もいます。かなりのエグゼクティブでいらっしゃいますが、もう何年もフレンチネイルなので、すっかりその方のトレードマークになっているんだそうです。取引先の方に名前と顔と手をセットでしっかり覚えてもらえるとおっしゃっていました」
手や爪、髪、爪先(靴)など人は“先端”を美しく整えていると好印象というのは特に欧米のビジネスパーソンの間では常識。しかも指先は鏡に映さなくても自分で見えるので、自身の気分にまで影響する。手や爪がキレイだとテンションアップ!
もはや、ゴルフで右手だけ日焼けし、シミだらけというのは自慢にもならない!?
手や爪を整えて、スコアアップ&印象アップを目指そう。
PHOTO/Akira Kato
※週刊ゴルフダイジェスト9月5日号「ゴルファーのためのネイル&ハンドケア講座」