松山英樹のコーチ・目澤秀憲に、レッスン技術に造詣が深いライターDが、最新スウィング理論について話を聞いていく連載「みんなのスウィング3.0」。今回のテーマは「自分に合ったスウィングとは?」についてだ。
画像: テークバック、ダウンスウィングとも骨盤のほぼ中心付近に回転軸があり、インパクトではほぼセンター重心というのが、ファウラーのスウィングの特徴。同じタイプのプレーヤーにはT・ウッズやA・スコットがいる

テークバック、ダウンスウィングとも骨盤のほぼ中心付近に回転軸があり、インパクトではほぼセンター重心というのが、ファウラーのスウィングの特徴。同じタイプのプレーヤーにはT・ウッズやA・スコットがいる

力の入るインパクトポジションは人それぞれ

D この連載では、「アマチュアにもできる」という部分を大事にしていこうと思っていますが、レッスンの世界でも、「お仕着せ」から「カスタムメイド」への転換が進んできた感じがします。

目澤 確かに、以前は何か一つの理論があったら、みんなにそれをやってもらうという感じでしたが、今はどうやって「その人に合ったやり方を探すか」というのがインストラクターの役割になってきています。

D TPI(タイトリストパフォーマンス研究所。タイトリストがツアープロのデータを基に構築した、スウィングに関する包括的な理論とティーチング要綱)では、最初に各関節の可動域や柔軟性をテストして、その結果に基づいてどういう指導をするかを決めますよね。

目澤 そうなんです。最初にTPIのセミナーを受講したとき、いちばん驚いたのがそこでした。学生の頃から、自分でもわかっているけど直せないスウィングのクセがあったのですが、『それが骨盤の動かし方のせいだ』と指摘され、教わった通りに骨盤を動かす練習をしたら一発で直ったんです。

D つまり、やりたいスウィングに対して体のほうの準備が不十分だと、いくら練習してもその動きになりにくいと。

目澤 それは間違いないです。たとえばインパクトのときに、重心がどこにあるといちばん力が入るかというのは人によって違うのですが、「あのプロがこうだから」という理由で自分に"合っていない"インパクトを目指してしまうと、なかなか効率が上がらないという問題があります。

D アメリカの有名インストラクターであるマイク・アダムズらが提唱する”バイオスウィングダイナミクス”でいうところの「3つのポスト」の理論に関連する話ですね。アダムズは、スウィング中ずっと左1軸のタイプを「1ポストゴルファー」、テークバックで右足、ダウンスウィング以降は左足に乗るタイプを「2ポストゴルファー」、骨盤の中心で回転するタイプを「センターポストゴルファー」と分類しています。日本人は体形的に、2ポストが合う人が多いといわれています。

目澤 PGAツアーだと、タイガー(・ウッズ)を筆頭にセンターポストが多い感じがします。最近復活した、R・ファウラーもそうですね。リッキーのギアーズデータ(スウィング測定器)を見ましたが、お尻(骨盤)の位置がほとんど動かないで回転しています。

D ギアーズのような最新の計測機器を使わないで、自分の理想のインパクトポジションを見つけるにはどうしたらいいでしょう。

目澤 クラシックなやり方ですけど、アイアンのリーディングエッジを練習場のマットの縁に引っかけて、どの体勢でいちばん強く押せるか試してみるといいと思います。それを鏡で見て、左足重心なのか右足重心なのか、あるいはセンター重心なのかを見極めます。

D インパクトでその形を再現するように意識すると、より強く当てられるわけですね。

目澤 そうです。よく、「左に踏み込むほど飛ぶ」みたいなことも言われますが、実はそれも人それぞれということなんです

※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月3日号「みんなのスウィング3.0 Vol3」より

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