プロゴルファーやジュニアゴルファーをはじめさまざまなスポーツ選手のメンタルアドバイザーを務める丹波幸一氏。元プロ野球の審判という異色の経歴を持つティーチングプロ、丹波氏がゴルファーに役立つ”心の操作法“を連載形式で語っていく。第1回のテーマは「ゴルフは心で変わる」だ。
画像: メンタルを鍛えるのはハードルが高いと思ってしまいがちだが…(写真はイメージ)

メンタルを鍛えるのはハードルが高いと思ってしまいがちだが…(写真はイメージ)

メンタルの部分を難しく考え過ぎていないか?

ゴルフは心のスポーツということを、おそらくほとんどのゴルファーが認識しているにも関わらず、実際にこの心の部分を鍛えようと行動に移した人は少ないはずです。

普通はゴルフ上達のためにスウィング理論や飛距離アップ、道具の選択などに目がいってしまいます。そこが楽しくてハマってしまうこともよく理解できます。私もそのうちの一人でした。しかし、そこばかり追いかけ続けた挙げ句、最終的にはゴルフはメンタルだ! と感じているゴルファーは、ほぼ全員ではないでしょうか?

頑張って飛距離アップや理想のスウィングを習得しても、実際のラウンドや競技では上手くいかないことがあるのはなぜでしょうか?

これは”どういう心の状態”で臨むのかという精神的な「心の存在」が見落とされているからです。

メンタルが大切という認識はあっても、実際にメンタルを習得しようと行動に移した人はどれだけいるでしょうか? 行動に移した人でも、メンタルを難しく考えたり、実際にやってみると面倒だったりと、継続ができなかったケースが多々あったはずです。

でもご安心ください! 私はこれまで難しく伝わってきたメンタルを、誰でもわかりやすく習得、理解できるように実践し研究を重ねて来ました。そもそも人間は本来誰もが弱いです。強く見える人ほど、実はメンタル的には弱い人だったりもします。

それは単純に、心の仕組み、心の操作方法、心の反応を学ぶ機会がなかったからです。ティーチングプロでも、この心の部分を説明できるコーチはそう多くは存在しません。

一度、心の操作方法を学んで理解できてしまうと、個の潜在能力がいかんなく発揮され、心の浮き沈みも少なくなり安定感や粘りが増してきます。 

つまり、ここぞ! というときのプレッシャーにも強い選手になります。

プロ野球審判員がメンタルに目覚めたきっかけ

なぜ、私がこのようなことを伝えられるのか? と疑問に思った方も多いかと存じます。ここで私の自己紹介をさせてください。

私の前職はプロ野球審判員でした。実に30年間、通算2153試合裁いてきました。東京2020オリンピックも経験させていただきました。    

審判という職業は、一瞬にして5万人ものファンを敵に回し、一斉にヤジられ、罵声を浴びる! そんな職業です。さらに、ときにはその5万人の前でマイクを持ってのルール説明などをしなければなりません。正直、足も声も震えるほど苦手でした。最近のリクエスト制度(ビデオ判定)は、審判にとって公開処刑ともたとえられ、プライドもズタズタに傷つけられます。

監督、コーチ、選手とのドラブルや抗議への対応など、現役生活30年間は究極のプレッシャー、ミスを恐れる恐怖心と闘う日々でした。若いころは、そんな究極のプレッシャーの毎日のなか、「自分は通用するのか?」「いつまでこの職業を続けるのか?」と、自問自答の繰り返しでした。苦悩のなかをさまよう私が最初に辿り着いたのが、ゴルフのメンタル本でした。

実は私、ゴルフが好きすぎてティーチングの資格(USGTF 2004年〜現在、AimPoint公認インストラクター 2015年〜2022年)を取得したほどゴルフにのめり込んできました。

しかし上達を目指すあまり、いろいろなことに挑戦し、自分自身へプレッシャーをかけすぎて、シャンク病やイップスも長い間経験したほどです。改善するために取った策は、練習量を増やすことでした。しかし全くの逆効果で、シャンクやイップスから脱却するにはほど遠かったかったのです。克服できたと思っても、練習では上手く打てるのに、本番ではまったく出来ない。不安と闘う日々の繰り返しでした。

そこであるとき気付きました。審判という職業も突き詰めればメンタル。そして大好きなゴルフでも、最大の原因はメンタルだ、と。そう気付いてからは、メンタルを研究し、いろいろなメンタル本や資格も勉強してきました。

ゴルフはメンタルが9割といわれるスポーツ

ここ10年くらいになりますが、実体験にもメンタルを落とし込むことができ、これまでプロゴルファー、ジュニアゴルファーをはじめ、現役力士のメンタルアドバイスを担当してきました。メンタルとなるとなかなか実名を挙げて紹介するのは難しいのですが、ある1シーズンに関わった女子プロが2人ともレギュラーシーズンで初優勝した年もありました。

グリーンを読む技術のAimPointのほうでは、今シーズンを含めプロ通算29勝に関わらせてもらいました。これら現場の実体験から伝えるメンタルが私の強みでもあります。

これまでプロ野球審判員という立場で、野球界の現場で学び、実体験してきたメンタルコントロールの術は、ゴルファーだけでなく、一般社会でも必要とされるスキルです。心の操作方法を知るか知らないかだけで、残りの貴重な人生の時間に大きく影響してきます。経営者向けのセミナー、人材育成、企業セミナー、講演活動なども、数多く経験してきたので、これからいろいろお伝えするのが楽しみです。

それぞれのお悩みに寄り添い、これまで難しいとハードルが高かった「メンタル」をわかりやすく伝えるのがこれからの私の使命です。心の持ちようでヒトは変われます。ゴルフは心で変わります。一人でも多くの方の可能性を引き出し、豊かな心で、ゴルフ人生を楽しんでいただくことが私の願望です。

ゴルフはメンタルが9割ともいわれるスポーツです。心の土台が9割も占めるスポーツは他には見当たりません。努力して培ってきた技術を活かすのは、“ゴルフレッスンで見落とされてきた心の存在”です。技術などの戦術ばかりが注目されますが、戦略あって戦術は生きてくるものです。

この戦略が心の存在であり、皆さんの可能性を引き出す部分なのです。

This article is a sponsored article by
''.