スペインを舞台に行われた欧米女子チーム対抗戦「ソルハイムカップ」は接戦の末、史上初めて14対14の引き分けとなり、規定により前回覇者のヨーロッパがカップを保持した。
画像: 引き分けながら3連勝扱いとなりソルハイムカップを手にしてスーザン・ペターセン主将と喜ぶ欧州チーム(PHOTO/Getty Images)

引き分けながら3連勝扱いとなりソルハイムカップを手にしてスーザン・ペターセン主将と喜ぶ欧州チーム(PHOTO/Getty Images)

挑戦者の米国チームは0.5ポイントでも上回らないとカップ奪還はできない

初日午前のフォアサムで米国選抜が全勝(4連勝)したとき、米国チームの圧勝ペースかと思われた。

ところが午後のフォアボールで欧州が2勝2分と盛り返すと、1日目終了時点で8対8の同点。

最終日のシングルスで最も重要なマッチとなったのは、最後から2番目に登場したネリー・コルダ対カルロタ・シガンダの一戦。地元スペインのシガンダは序盤からリードを奪い、一時は3アップと優位に立ったが、中盤にコルダが巻き返して15番で両者タイに。

すると欧州を応援する大ギャラリーはテーマソングを熱唱し、シガンダを後押し。16番、17番の連続バーディで強豪コルダを2&1で下し、チームに貢献した。

両チームを通じて無敗の4連勝は彼女だけ。チームメイトとギャラリーの熱狂に、ニューヒロインは、「スペインのために勝てて本当にうれしい」と興奮を隠せなかった。

引き分けながら3連勝扱いの欧州チームは、スーザン・ペターセン主将を中心にカップを掲げ歓喜。

その光景を目の当たりにした米国チームキャプテンのステーシー・ルイスが終了後漏らしたひと言が話題となった。

「引き分けの場合、プレーオフで決着をつけても良かったと思います。ファンにとってそのほうがすっきりしたでしょう。欧州がカップを保持したのは仕方ないけれど、私たちは決して負けたとは思っていません。皆泣いていましたが、この経験から何を感じ、何を学ぶかが重要です」

引き分けは負けではない。しかし挑戦者は0.5ポイントでも上回らないとカップ奪還はできない。

今回全敗だったスーパールーキーのローズ・チャンや1勝しかできなかった世界ランク1位のリリア・ブは、悔しさをバネに次回のリベンジに挑む。

「米国チームの未来は明るい」とルイスキャプテンは実感を込め、胸を張った。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月17日号「バック9」より

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