クリーンなインパクトを作るためのポイントは3つ
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ゴルフ中継を観ていると、グリーンスピードの速さやコンパクションの硬さに驚かされます。プロはいったいどんな打ち方で、あんなに硬いグリーンにボールを止めているのだろう? って思いますよね。
週刊ゴルフダイジェスト10/17号に”ボールだけを打つ「クリーンインパクト」が世界のスタンダード”という記事が載っていました。世界で活躍しているプロたちはボールだけをクリーンに拾って打っているらしいんです。それっていったいどんな打ち方なのでしょう? 気になったので試してみることにしました。
この記事では藤田寛之プロが海外メジャーに行って気付いたことを解説されています。藤田プロはシニア入りして、海外のシニアメジャー競技に出場したそうなのですが、そこで自分の球だけがグリーンに止まらないという経験をしたそうです。ボールの高さはあまり変わらないのに、藤田プロのボールだけが止まらない。その理由はパワーの問題だと藤田プロは思っていたそうですが、実は技術の問題だったのです。
世界のスタンダードとなっているのは、ボールだけをクリーンに拾う打ち方。藤田プロはハンドファーストにボールを捉えて、出球が少し低めで強くなる打ち方をしていたそうなのですが、それだと硬いグリーンでは止まらないんですね。クリーンインパクトではロフト通りにボールを捉えるために出球が高くなり、スピン量も増え、落下角度が垂直に近くなるためにボールが止まるんですね。藤田プロはクリーンインパクトを会得するために、アプローチの練習から始めているそうです。
藤田プロが取り組んでいるクリーンインパクトのポイントは3つ。まずは「ハンドファーストに構えない」です。シャフトを真っ直ぐに構えることで、打ち込むイメージにならないようにするんですね。
2つ目が「地面に触れずボールだけを拾う」です。これができるようになると、ライに関係なく、ボールをしっかりととらえられるようになるそうです。
そして3つ目が「シャフト垂直でインパクト」。このインパクトができると、ロフト通りの球筋になるので、打ち出しのスピードや高さなどが適正になるということです。
クリーンインパクトはスウィング軌道も変わるそうです。まずハンドファーストのインパクトの場合はテークバックでコックが入り、タメが強くなります。そして入射角が鋭角になり、フォローが小さくなります。この打ち方だと弾道が強くなりすぎ、弾道の高さや落下角が得られず、ボールが止まりにくくなります。
クリーンインパクトの場合はシャフトを真っすぐ構え、真っすぐインパクトするので、ノーコックでタメが弱くなります。そのため軌道が楕円になり、入射角が穏やかになってフォローは大きくなります。この打ち方だと打ち出しの高さ、スピン量が適正化され、出球が少し弱くなるので、フォローが自然と大きくなるようです。
さっそく僕も試してみました。僕もアプローチ・アイアンショットともにかなりハンドファーストに構えるタイプなので、シャフト真っすぐというのはけっこうな違和感です。なんだかトップしてしまいそうな感じがしますね。
シャフトを真っすぐに構えて、インパクトも真っすぐのイメージでボールを打ってみましたが、たしかにこのイメージだと入射角が緩やかになりますね。うまく打てるとハンドファーストインパクトの時よりは、少し高く飛び出します。柔らかい球になりますが、スピンは意外とかかります。たしかに今までのイメージよりも飛ばないので、大きく振る必要がありそうです。
入射角が穏やかになるので、バウンスも効いてくれてダフリのミスにも強そうに感じました。ただ、少しでもボールを上げようとするような動きが出るとトップしやすくなってしまいます。何球か打ってみて、ダフリの大きなミスはほぼありませんでしたが、トップのミスは何回かやってしまいました。このあたりは慣れが必要なようです。
クリーンインパクトはボールが少し沈む洋芝で必要な技術ということですが、最近の日本の若手プロもほぼこの打ち方をしているそうです。今平周吾プロよりも下の世代はハンドファーストに構えないし、ターフも取らないのだとか。日本の芝でもインパクトが安定することで方向や距離のブレが抑えられるそうなので有効な打ち方なんでしょうね。
藤田プロが取り組んでいるクリーンインパクトの練習をやってみましたが、アプローチならば僕でもなんとなく打てますが、これをアイアンショットでもできるかというと、かなり難しそうです。それこそトップのミスが増えそうだし、飛距離も落ちそうな気がします。うまく打てれば飛距離もちゃんと出るのでしょうが、そのレベルまで行くのはかなりの練習がいるでしょうね。しかしインパクトが安定してボールも止まりやすくなるということですから、アマチュアも取り組んでみるのはいいかもしれません。まずはアプローチから取り入れてみるのはいかがでしょうか。