競技に出ている方は向上心のある人ばかりで刺激になる
◆競技ゴルファー③中川善幸さん(49)=HC5、会社役員、群馬県
ホームコースができて、まずは月例に出るようになりました。そのころはまだ90叩きもあるレベルでしたね。
その後、HC7ぐらいになってパブ選(パブリックアマチュアゴルファーズ選手権)や県アマなどにも出場するようになりました。競技は楽しいですよー。
「ここでひとつも落とせない。落とせばカット」というヒリヒリ感は、普段の生活ではなかなか味わえません。とはいえ、最初はそうは思えませんでしたけど(笑)。
それがだんだん快感に変わってくるんですから、面白いものです。
あとは、競技に出ている方は向上心のある人ばかりで刺激になります。全国規模で出場するようになると、知った顔も増えてきて、他県の知り合いも増え、どんどん輪が広がります。
ただ遠征するようになると、仕事の調整は大変になりますが、それも含めての競技ゴルフですからね。
私は競技中は携帯チェックをすることはほとんどないです。これから競技にトライする方には、ルールとプレーのペースは注意したほうがいいと思います。
月例なんかだと、普段の進行のペースというようなものができているので、その点で迷惑をかけないようにするのがいいと思います。
会員権を持っている方は、月例から出るのがいい
◆競技ゴルファー④林久仁彦さん(53)=HC4、会社経営、東京都
仕事の関係でゴルフを始め、12~13年前から月例に、10年ほど前からパブ選(パブリックアマチュアゴルファーズ選手権)やスポーツ新聞などの主催大会に出るようになりました。
会員権を持っている方なら、月例から出るのがいいのではないでしょうか。何といっても知っている顔がいるのは安心です。全国で行われている大会に出るようになれば、人間関係もどんどん広がります。
上達したくて真剣にプレーしている人たちからは、学ぶところも多いんです。
「あの飛ばし屋が、ここでは刻んでいる」とか、トップアマはさすがのマネジメントです。
初めて参加する人は、やはり最低限ルールの勉強は必要だと思います。
スタート前に、打つ順番を決める棒を持って来た人がいましたが、そういうのはご愛嬌です(笑)。
先輩との話はゴルフだけでなく仕事や人生のためになる
◆競技ゴルファー⑤須崎友貴さん(30)=HC+4、会社員、東京都
小4からゴルフをしていて、地元のジュニアの大会に出るようになり、大学まで競技ゴルフに打ち込んでいました。
実はプロゴルファーを目指していたのですが、QT 2次で敗退し、諦めました。卒業後は団体勤務となり、仕事を覚えるので精いっぱい。競技はたいてい平日なので有休を使って参加するのも限界があり、なかなか参加できなくなりました。
友達とのプライベートラウンドはしていて、「68」など好スコアが出ることもあるんですが、そのうれしさは競技会で出した「68」のときとは違うんですよね……。
そこで、今年思い切ってゴルフ関係の会社に転職し、競技に出られるよう配慮してもらうことができました。
今度は「会社の看板を背負っているぞ」という新たなプレッシャーも生まれましたが、それもまたモチベーションになっています。
普段は、東京都昭島市にあるゴルフショップ「クエストワンズ」の店頭に立ちますが、オープンが10時なので、それまでの1時間ほどは打席を使わせてもらっています。あと、出社前に10キロランニングはします。閉店後も1~1.5時間は打席を使えるので、環境は恵まれていて、感謝でいっぱいです。
競技会に出ると、人間関係が広がりますよ。尊敬する(トップアマの)水上(晃男)さんなど先輩との話はゴルフだけでなく仕事や人生のためになると思っています。
競技に初めて参加する人は「ルール、大丈夫かな」と気になる方が多いと思います。でも、一人で悩まないで聞いてOKなんです。ですから、スタートのときに「競技は初めてなんです」というふうに宣言するといいと思います。
すると、周囲がフォローしてくれます。職場と同じですね。楽しいし、学びもあります。迷っていたら一歩踏み出してみてください。
最初はスクランブルやダブルスがおすすめ
◆競技ゴルファー⑥西川勇太さん(27)=HC+1.6、会社員、東京都
小学生からゴルフを始め、大学までゴルフ部でしたが、就職してからは仕事を覚えるのが最優先で、競技には出られなくなりました。
土日に仲間とラウンドして楽しむことはありましたが、どうもあの試合じゃないと味わえないヒリヒリ感が恋しくなってしまうんです。
最近、ようやく競技に戻れてドキドキワクワク感も復活です。同じ年頃の友人たちもゴルフを始める人が増え、僕が教え役になることも多いんですけど、ゴルフを「楽しい!」と思ってほしい。
競技ゴルフを始めるという人にも「競技って楽しい」と思ってほしいので、最初はスクランブルとかダブルスはどうでしょうか。仲間と組むので、まったく知らない人のなかに入るよりは緊張感が少なめです。
チームでウェアを合わせたりする楽しみもありますし。ただ、いつもできることができなくなるのも競技です。
グリーン上で人のラインを踏んだり、僕なんか最初の競技でスコアカードを落としちゃいましたから(笑)。
自分が誰のマーカーなのか間違えるのもあるあるなんです。マーカーになった人のスコアを書く欄に自分のスコアを書いちゃうとか……。
だから、ルールでも「わからない」と思ったら、同伴者にすぐ聞くといいですよ。そのためには、聞けるような雰囲気づくりが大事だと思うので、最初にしっかり挨拶と簡単な自己紹介くらいするといいと思います。
不安はあると思いますが、競技でしか味わえない感覚をぜひ経験してほしいです。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月17日号「トップアマに聞いた競技ゴルフその魅力」より