3階建てのホスピタリティスタンドが全焼
先日、ローマ近郊のマルコ・シモーネG&CCで開催されたライダーカップは、延べ観客数27万1191名を記録したが、なかでも1番ティーインググラウンドを囲むように広がるギャラリースタンド(6500名収容)と、それに隣接する3階建てのホスピタリティスタンドが選手たちを圧倒し、名だたるトッププレーヤーでさえ1打目は緊張したという。
ライダーカップの4日後の木曜日に、それらが全焼した。
「地域の消防局は午後5時7分に通報を受け、素早く消火にあたった。誰も傷つくことなく、ゴルフコースも無事だった。火事の原因は調査中」
といった声明を広報官が出している。
とはいえ、地元の住人たちは黒煙のため避難を余儀なくされたうえ、コースへ通じる道も、すべて閉鎖されたという。
残念なニュースで幕を閉じる結果となったが、初めて開催されたライダーカップの影響は大きく、一部では今年のライダーカップの経済効果は3億ドル(約450億円)に上ると試算されている。
前回欧州で開催された試合でも欧州チームが勝ったが、会場となったフランスでの経済効果は2億3500万ユーロ(約370億円)と推計されており、SNSのインプレッション数は200億を超え、試合後にフランスのゴルフ人口が急増したという話もある。
イタリア政府観光局によれば、試合期間中、海外からの観光客が15パーセント増えたというし、何よりイタリアのゴルフコースに対する評価も高まった。
マルコ・シモーネG&CCは女性のグリーンキーパーが管理し、自然環境保護団体である全米オーデュボン協会から”環境にやさしい施設”として認定を受けている。
イタリア国内ばかりでなく、国外からのイタリアでプレーしようというゴルファーの増加も期待されているのだ。ホスピタリティスタンドは残念だったが、イタリアのゴルフはまだ燃え続けている。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月31日号「バック9」より