リ・ハナが、山下美夢有と仁井優花との三つ巴のプレーオフを制した
18番パー5を舞台に秋晴れの下で繰り広げられた三つ巴のプレーオフ。
1ホール目でただひとり2オンに成功したリ・ハナが20センチのウィニングパットを沈めると、グリーンを取り囲んだ大勢のギャラリーから大きな拍手が沸き上がった。
2020-2021年ステップアップツアーで3勝を挙げて賞金ランク1位に輝いたが、レギュラーツアーの優勝は初めて。優勝インタビューでは、流ちょうな日本語で感激を口にした。
「今シーズンはずっと初優勝をしたいと思っていたので、うれしい気持ちでいっぱいです。私の一番いいところは、メンタルが強いところです」
言葉通り気持ちの強さを見せつけた1日だった。
15番でエッジから15メートルをパターで沈め、正規の18番は左バンカーからの第3打をピンに寄せて、この時点で単独トップに立った。そして後続の2人に追いつかれてプレーオフに持ち込まれても、動じることなく勝ち切った。
2位の仁井優花はプレーオフと優勝争いを経験
3人のうちで一番年下、21歳の仁井優花は惜しくも初優勝を逃した。
前日の2日目にホールインワンを達成した勢いは衰えず、正規の17、18番で連続バーディを奪ってプレーオフに進出。
プレーオフではピンまで35ヤードの3打目アプローチを130センチに寄せたが、カップの右にショートさせて涙を飲んだ。
「タッチですね、打ち切れなかった感じです。悔しいのは最後のパットだけ。それは悔いていますが、あとはないです」
02年生まれで6歳からゴルフを始め、21年のプロテストに合格。昨年はレギュラーツアー出場は4試合だけだったが、今季はQTランク16位の資格で開幕戦からフル出場し、今週でトップテン入りは7回目。
「初めてプレーオフとか、すごい上位で優勝争いをする機会だったので、精神的にもこうなるんだと分かってよかったです」
敗戦の悔しさを抱えながら、早くもリベンジの時を見据えた。
山下美夢有は主要スタッツで1位を独占
山下美夢有は今季5勝目、通算11勝目を逃した。
プレーオフの3打目、グリーン手前からピンまで30ヤードのアプローチが強く入って、ピン奥に大オーバー。バーディパットも入らず、この時点で終戦となった。
「最後のアプローチは結構強く入ってしまった。感覚的にできていないというか、まだまだだと思いますね」
正規のラウンドは7バーディを奪いながら、5つのボギーをたたいた。
「ボギーのミスはアプローチで、寄らないところもあった。そのあたりが全然ダメだと思います」
と反省の言葉を並べた。
山下にとっては悔しい2位となったが、メルセデスランキング争いでは、今週予選落ちした申ジエを抜いて1位に返り咲いた。
「やっぱり内容がよくないので、そこをしっかり直して、いい状態で迎えられるようにしたい」
山下はメルセデスランキングだけでなく、年間獲得賞金、平均ストローク、平均パット数、パーセーブ率をはじめ主要スタッツで1位を独占。
「来週(TOTOジャパンクラシック)は、切り替えて頑張りたいと思います」
今季も残りは4試合。2年連続の年間女王へ向け、いよいよラストスパートをかける。