2025年1月21日号の週刊ゴルフダイジェストでは、23年に「樋口久子 三菱電機レディス」で待望のツアー初優勝を飾り、24年もシード権を確保したリ・ハナに、ゴルフを始めたきっかけから将来の目標まで聞いている。週刊ゴルフダイジェストの全文と、誌面の都合で紹介できなかった「韓国ゴルフあるある」を紹介しよう。

リ・ハナ Hana Lee(23)

画像: 2001年7月26日生まれ、韓国仁川市出身。A型。

2001年7月26日生まれ、韓国仁川市出身。A型。

20-21シーズンにステップ・アップ・ツアーで3勝を挙げ賞金ランク1位。翌年からレギュラーツアーに本格参戦し、23年の「樋口久子 三菱電機レディス」で待望の初優勝。24年もポイントランキング41位でシードを確保。

「小さい頃は魔法使いになりたかった(笑)」

韓国出身のリ・ハナは、日本のプロゴルファーだ。

ーー 韓国のプロ資格は持っていない。なぜ日本のプロテストを受けたのか?

画像: 2季連続でシード入りを果たした彼女の武器とは?

2季連続でシード入りを果たした彼女の武器とは?

「生まれ育ったのは、国際空港がある韓国のインチョン(仁川市)です。小さい頃は物静かなタイプで、夢は魔法使いになることでした。兄弟姉妹はいません。韓国はひとりっ子が多いんです。
 
ゴルフ好きだった父の影響で、8歳で初めてゴルフのレッスンを受けました。実は3歳くらいでゴルフカートに乗っていた写真があって、もっと小さいときにゴルフは始めていたかもです。
 
日本でプロテストを受けたのは、両親が日本に住んでいたからです。両親は日本で仕事をしています。ですので、高校を卒業してすぐ日本に来ました。高校生まで日本語はしゃべれませんでしたが、今はだいぶ話せるようになりました」

インタビューでも問題なく受け答えするハナは、2回目のプロテストで合格。19年の1回目のとき、特別規定によりQTを受け、単年度登録で20・21年のステップ・アップ・ツアーに出場。同ツアーで3勝を挙げ、賞金ランク1位を獲得。その実力に注目が集まった。

「韓国では小学、中学、高校のそれぞれで、全国大会で優勝しています。プロを意識し始めたのは少し遅くて高校2年くらいです。将来を考えたとき、ちゃんとプロを目指そうって。そのために何をすべきか、いろいろ考えるようになり、日本でプロテストを受けました」

ーー 23年にレギュラーツアーで初優勝を飾ったハナは、2季連続でシード入りを果たす。彼女の武器とは何か?

「メンタルです。メンタルが強いというか、他の人のプレーによって自分が変わることはありません。周りの状況に影響を受けないというか、そういった思考をシャットアウトできるんです。スコアボードを見ても自分に集中を戻せます。そこが強みなのかなって思っています。
 
24年の目標は優勝だったので、25年は24年の分も含めて2勝以上したいです。日本ツアーは飛ぶ選手が多く、ロングゲームが上手くできないと戦えないと思っていたのですが、もともと得意だったアプローチ、パットを改めて強化していくつもりです。自分が得意なスタイルを伸ばしていくほうが、スコアにもつながると考えています」

ーー ハナはどんなプロゴルファーになりたいのか?

「子供たちが自分を見て『プロになりたい』、そう思ってもらえるようなプロになりたいです。そのなかにはいろいろな意味があります。人間性もそうですし、ゴルフの上手さ、強さもそうです。すべてで憧れられるゴルファーです。実は私の憧れはイ・ボミさんなんです。1回もしゃべったことがないんですけど、24年のマスターズGCレディースの1番ティーで、ボミさんが実況していたんです。せっかく会えたのに緊張して言葉が出ず、何もしゃべれませんでした。ボミさんとおしゃべりしたかったのに……」

ハナにとってイ・ボミは“高嶺の花”だった。だが、ハナのゴルフが誰かの高嶺の花になる可能性も十分ありそうだ。

みんゴル独占! リ・ハナが体感した「韓国ゴルフあるある」

ーー 小・中・高と学生時代はずっと韓国だったハナに韓国のゴルフ事情を教えてもらった。

画像: コロナ禍から韓国ではゴルフブームが来ていると語るリ・ハナ

コロナ禍から韓国ではゴルフブームが来ていると語るリ・ハナ

「韓国はいまゴルフブームです。コロナ禍のときからで、ゴルフを始めるジュニアも増えました。日本に来てわかったのですが、韓国のゴルフ場は練習場がないところが多いかもです。ドライビングレンジがないので、近くの練習場で練習してからコース入りする感じです。ただ、教える環境というか、アカデミーやスクールはたくさんあります。韓国はインドアゴルフ練習場がめちゃめちゃ多いです。冬は寒くてプレーできないからですが、室内にはソファやテーブルがあって食事もできますし、1日中ゴルフができます。シミュレーションゴルフも楽しいです」

ーー 韓国ゴルフあるあるは?

画像: 日本と韓国でのプレースタイルの違いを語るリ・ハナ

日本と韓国でのプレースタイルの違いを語るリ・ハナ

「アマチュアのプレースタイルですが、韓国ではダブルパーで終了するのが一般的です。ダブルパーになった時点でボールをピックアップします。だからカップインしないホールもあるんです。私は最後までプレーしますけどね。ダブルパーでピックアップする理由はわかりませんが、たぶんダブルパーで終われば、スコアは大きく崩れないので、恥ずかしさがないんだと思います。スロープレーを防ぐ意味もあるかもしれません。グリーン上にOKラインがあるゴルフ場もあります。大きめの円が書いてあって、そこに入ればOKになるみたいです。
 
あと、聞いたことがある話では、1番ティーは一番スコアが良かった人のスコアでスタートするみたいです。自分がボギーでも同伴者にパーの人がいれば、1番はパースタートになるんです」

リ・ハナのQ&A

●好きな食べ物/すき焼き
●嫌いな食べ物/キノコ
●好きな飲み物/アーモンドミルク
●好きなお菓子/チョコレート、ケーキ、和菓子
●好きなアーティスト/NCT WISH
●好きなファッション/ヒップホップ系(でも似合わないのがジレンマ)
●好きな数字・色/1とピンク
●ハマっていること/アイドル(NCT WISH)「ライブに行きたい!」
●勝負飯/疲れていて頑張ろうというときは「うなぎ」
●コンビニで必ず買う物/フルーツサンド
●スタバで何を注文する?/ほうじ茶&クラシックティーラテ

撮影/干川修

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