唯一日本で開催されるPGAツアー、ZOZOチャンピオンシップで4位タイに入った石川のニュースはコリン・モリカワ2年ぶりの復活優勝以上に大きく取り上げられた。それは日本だけでなく海外でも、である。
「PGAツアーに戻りたいと思っている」という石川の発言を受け「およそ5年遠ざかっていますが復帰できるよう常に自分自身を立て直す努力をしてきました。遅すぎることはないと思うので(米ツアー)復帰に一生懸命取り組んでいます」という肉声を載せたメディアもある。
PGAツアーのトップ10フィニッシュは16年のCIMBクラシック(マレーシア)以来とあって「本当にうれしい」というコメントも大きく取り上げられた。
今回タイガーが設計を手掛けたコース(メキシコ)でトップ10入りすれば次はバターフィールド・バミューダ選手権への出場が可能になる。もしそれが叶わないとしても彼は12月TPCソーグラスで行われるPGAツアーQスクールに出場する予定だ。
15歳で国内ツアーに優勝し、一躍ときの人になってから17年の歳月が流れた。20歳でマスターズ優勝を目標に掲げたが現実は厳しかった。オーガスタの背丈ほどのバンカーの底から天を仰ぎ喪失感に襲われたこともある。だが石川は諦めることなく足元を見つめコツコツと努力を重ねてきた。
「ZOZOがスタートした19年には見られなかった20代前半の選手の勢いがすごくある。今は変化の時期。PGAツアーのイベントが日本で開催され強力なフィールドで戦えるという事実だけでも19年以降、いかにこのゲームが競争的になったかを示していると思います。モチベーションは高いですよ」(石川)
ハニカミ王子も今は昔。荒波に揉まれ、逞しく自分の足元を見つめ続ける石川の30代の挑戦は面白くなりそうだ。