日本で開催される唯一の米LPGAツアー、TOTOジャパンクラシック(太平洋クラブ美野里C)は好天に恵まれスコアを伸ばし合う展開のなか、稲見萌寧が今季初優勝を飾った。この勝利で一気に海外への道が拓けた彼女の展望は?
画像: TOTOジャパンクラシックで米ツアー初優勝を飾り、喜びを表現する稲見(撮影/大澤進二)

TOTOジャパンクラシックで米ツアー初優勝を飾り、喜びを表現する稲見(撮影/大澤進二)

海外メディアもオリンピック銀メダリストの去就に注目

鮮やかなレモンイエローのウェアで表彰式に登場した稲見は涙をこらえることができなかった。

「ずっと持ち続けている目標があって、それは毎年1勝することなんです。でも今年それを達成できないんじゃないかと考えていただけに、今回勝てて安心感がこみ上げてきました」

と安堵。

涙で頰を濡らしながら達成感を滲ませた彼女に辛かったここ数カ月の思い出が蘇る。

「今年は良いスタートが切れたのにシーズン中盤からゴルフだけではなく体調にも悩むようになりました。一年中自分のスウィングに満足できず4回も(スウィング)を変えました。でも今週ようやく良い感触が戻ってきた」

と浮き沈みの激しかった1年を振り返った。

東京オリンピックの銀メダリストとして海外でも知られた存在。

米ツアーの非会員が優勝した場合2つ選択肢が与えられており、1つ目は優勝と同時にLPGAツアーのメンバーシップを受け入れる道。

2つ目は合格を延期し、2024年ルーキーとして米ツアーに参戦する道。

即メンバーになれば2023年が稲見のLPGAツアールーキーイヤーとなり賞金やポイントが正式にカウントされることになる。今秋プロデビューした大型新人ローズ・チャンが初戦で優勝し即メンバー入りしたケースと同じである。

稲見本人は即断を避け

「日本ツアーだけでなくアメリカでもプレーできるオプションを獲得することができてとてもうれしいです。このオプションをどうするかはチームとよく話し合って最終決定したいと思っています」

と語っている。

これで国内ツアー通算13勝目。日本にとどまるなら今後も勝星を伸ばすに違いない。しかし24歳の彼女にとって海外への挑戦にも抗いがたい魅力がある。すでに1歳年下の古江彩佳や西村優菜が米ツアーで結果を出しているのも刺激になっているはず。

とはいえ今大会は4週続いたアジアスウィング(シリーズ)の最終戦でトッププロがこぞって欠場。半数が国内ツアーのメンバーで世界ランクトップ10では7位のキム・ヒョージュしか出場していなかった。

稲見にとって手放しで米ツアーに勝ったといえる状況ではないが、海外メディアもオリンピック銀メダリスの去就に注目している。

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