新しいドライバーを手に入れる際、ロフト9度を選ぶか、10度もしくは10.5度を選ぶか、ゴルファーなら悩むもの。ギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人が、自分に合ったロフト選びの考え方を教えてくれた。
画像: 我々エンジョイゴルファーはどうやってドライバーのロフトを選べばいい?(写真はイメージ)

我々エンジョイゴルファーはどうやってドライバーのロフトを選べばいい?(写真はイメージ)

いまどきのロフト選びはヘッドスピード基準ではない

クラブフィッター小倉です。今回のお題は、ドライバーのロフト角について。皆さんは、ロフト何度のドライバーをお使いでしょうか? 市販されているドライバーは、大体2種類のロフト角が用意されています。ロフト角の小さいほうが9度、ロフト角の大きいほうが10.5度の設定が多いですね。

ひと昔前は、ヘッドスピードが速いゴルファーがロフト角の小さいモデル、ヘッドスピードが穏やかなゴルファーがロフト角の大きいモデルを選ぶのがセオリーとされていました。しかし近年は、それが当てはまらなくなってきています。

わかりやすいのがプロの世界です。パワーがあり、ヘッドスピードの速い男子プロは、9~10度前後のヘッドを使用している選手が多いですが、そこまでヘッドスピードが速くない女子プロは、8~9度のヘッドを使用している選手が多く、今までのセオリーに当てはめると逆転しています。

理由は、ヘッドの性能、スウィング理論が多様化したこと、ボールの進化などいくつかありますが、大きな要因は、ギアによる低スピン化です。ロフト角は大きくなるほど、打ち出し角が高くなる効果の他に、スピンが増えやすくなるという特性があります。昔のドライバーは、ロフト角を大きくしてしまうと、どうしてもスピン過多になってしまうので、ロフト角の小さいモデルを使ってスピンを減らし、アッパーブローで打ち出し角を高めることで飛距離を稼いでいました。

現在のクラブは、多少ロフト角を大きくしても、ややスピンは増えるものの、スピン過多になりづらくなったため、ヘッドスピードがある男子プロは、ロフト角で打ち出し角を確保しても十分飛距離を得られるようになり、アッパーブローというミスのリスクを冒さずにスイングできるようになったのです。

女子プロがどうしてロフト角の小さいモデルを好むかというと、最大限の飛距離を追求するためです。絶対的飛距離が低く、多少曲がってもリスクが小さいので、飛距離効率の良い高弾道低スピンの球質を追求するためにロフト角の小さいモデルで余計なスピンをギリギリまで減らし、アッパーブローで打ち出し角を稼いでビッグドライブを実現させています。

では、我々エンジョイゴルファーは、ロフト角をどう選べばよいかですが、ヘッドスピードとは関係なく、打点が安定しないゴルファーは、ロフト角が大きいモデルを選んだほうが良いと思います。私自身ヘッドスピードは43m/s程度ですが、10.5度以上のモデルを使用しています。同じヘッドの9度と10.5度を打ち比べたことがありますが、10.5度のほうが打点ズレしたときの飛距離ロスが少ないです。

芯でとらえる確率が高く、ボールを高く打ち出せて、つかまえる技術をお持ちの方なら、ロフト角の小さいモデルでもよいですが、打点が安定しない、ミスしたときに飛距離がガクッと落ちるという方は、ロフト角が大きいモデルのほうが安定した結果が得られるはずです。

幸い最近のドライバーには、ロフト角を調整できる弾道調整機能を搭載しているモデルがたくさんあります。今お使いのドライバーが弾道調整機能付きであれば、是非一度ロフト角を大きくして打ってみてください。全員とは言いませんが、それだけでフェアウェイキープ率がぐんと高まるゴルファーも結構いると思いますよ!

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