国内女子ツアー「伊藤園レディス」最終日、後続に2打差をつけ、単独首位からスタートした西郷真央が危なげないプレーで逃げ切り、通算16アンダーで1年半ぶりとなる通算6勝目を挙げた。昨季の後半から不振に陥り、最終戦では通算35オーバーの最下位に沈んだ。今季に入っても苦しい状態が続いたが、海外メジャー転戦を終えた8月から復調。ついに復活Vに辿り着いた。
画像: 「伊藤園レディス」で1年6カ月ぶりのツアー通算6勝目を挙げた西郷真央(撮影/大澤進二)

「伊藤園レディス」で1年6カ月ぶりのツアー通算6勝目を挙げた西郷真央(撮影/大澤進二)

シーズン終盤でようやく勝利を手にした西郷

2番パー3でボギー先行となった西郷だが、5番パー5で2オンに成功してバーディを奪うと、ここから3連続バーディ。1打差まで迫っていたリ・ハナを一気に突き放した。

後半は鈴木愛、吉田優利、蛭田みな美らがスコアを伸ばし、追い上げたが、西郷もボギーなしの2バーディと安定したプレーを披露。

最終的には2位の木村彩子に3打差をつける圧勝だった。

不振のまま突入したオフを振り返り

「もともと練習量は多いほうだと思うんですけど、その比じゃないぐらい練習に打ち込んだかなと思います」

それでも、開幕当初は結果に繋がらず、苦しい時期が続いた。

これまでの6勝にはそれぞれに違う感情があり「順位はつけづらい」としたうえで、「一番嬉しかったかなと思います」。

シーズン終盤になって、ようやくつかんだ1勝が今月末から始まる米女子ツアーの最終Qスクールに向けても、大きな自信となったことは間違いないだろう。

今週開催の「エリエールレディス」で最終戦の出場権を狙う選手たち

画像: メルセデスランキング44位の後藤未有は「エリエールレディス」で最終戦の出場権獲得を目指す。写真は6位に入ってランクをアップさせた「三菱電機レディス」(撮影/姉崎正)

メルセデスランキング44位の後藤未有は「エリエールレディス」で最終戦の出場権獲得を目指す。写真は6位に入ってランクをアップさせた「三菱電機レディス」(撮影/姉崎正)

一方、2位の木村はメルセデスランキング(MR)を大会前の47位から41位に上げて、シード当確。ラウンド後は

「リコーに出たいと言ってきたけど、本当は早くシードを決めたかった」

と本音が漏れた。次戦の「大王製紙エリエールレディス」では改めてMR39位がボーダーラインとみられる最終戦「JLPGAツアー選手権リコーカップ」の出場権獲得を目指す。

リコー出場のボーダーライン付近には今大会10位タイで1ランクアップのMR38位に永井花奈、MR40位には昨季のリコーで新型コロナウイルス感染により無念の欠場となった佐藤心結がいる。

また、昨季2ランク及ばなかった後藤未有はMR44位からの逆転を狙う。

「九州の試合なので今年こそ絶対に出たいです。エリエールで勝つって言いたいですけど、単独5位以内を目指します」

と意気込んだ。

さらに緊張感が高まるのが来季のシードがかかるMR50位以内、来季前半戦出場権のMR55位以内を巡る争いだ。

シード権争いも熾烈

ホステスプロを務めた今大会で22位タイに入り、MR51位から50位に浮上した濱田茉優は

「シードは絶対取りたいけど、ランキングはなるべく見ないようにしているので、ポイント差は知りません。まずは4日間戦い抜いて上位で締めくくりたいです」

濱田と入れ替わりでMR51位となった宮澤美咲、MR52位の柏原明日架らが僅差の争いを繰り広げる。

MR55位付近は54位脇元華、55位堀琴音、56位鶴岡果恋までランキングに変動なし。

一方で、そのすぐ下では57位大出瑞月、58位浜崎未来、60位平岡瑠依がそれぞれジワリとランクアップし、可能性を広げた。

5月以来、今季4度目のトップ10入り(10位タイ)となったルーキーの平岡は

「初めて1年間ツアーに出て体力面など課題が分かったので、なんとか来季もツアーに出てこの経験を生かしたいです」

現時点での55位の堀のポイントを上回るにはエリエールで単独25位以内が必要だ。

それぞれのボーダーライン上で圏内にいる選手がこのまま逃げ切るのか、最後に滑り込む選手が現れるのか、次戦は見どころ満載。シード争いの最終戦にはいくつものドラマが詰まっている。

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