エースパター以外にセンターシャフトのパターを持っておきたい
みんゴル取材班(以下、み):石川遼選手は長年エースパターだった「プロタイプiX #9HT」を「TRI-HOT 5K THREE」に替えた途端2022年の三井住友VISA太平洋マスターズで優勝。最近は「ホワイトホットXG #7」をセンターシャフトに改造した特注パターを使用しています。パッティングの調子は上がっているように見えますが、宮城さんはこのパターチェンジをどう評価しますか?
宮城:遼は昔から#9をエースとして使っていましたが、パッティングに迷ったときには#5のセンターシャフトで感覚を取り戻していましたよ。
み:今回が初めてではなかったわけですね。片やトウバランス、片やフェースバランスでタイプがまったく違うわけですが、チェンジすることでどんなメリットがありますか。
宮城:ネックがヒールに付いている「プロタイプiX #9HT」や「TRI-HOT5K THREE」のようなパターは、ショットと同じようにフェースを開閉するイメージで打ちますが、ひっかけや押し出しのミスが出始めるとなかなか原因がつかめず、打ち方がわからなくなります。
み:センターシャフトを使うと解決するわけですか。
宮城:ぼくもセンターシャフトをいくつも開発してきた経験上言わせてもらうと、センターシャフトを持つとヘッドが消えます。
み:え、視界から消える?
宮城:そうではなく、フェースを真っすぐ出そうとか、開いて閉じようとする意識が消えて、シャフトをプレーン上でまっすぐ動かすことしか考えなくなります。だからパターの基本的な打ち方に戻れるわけです。
み:アマチュアもパターの2本持ちはアリですか。
宮城:パターチェンジはぜひ真似をしてください。究極はストローク中にシャフトしか感じないロングパターですが、エース以外にセンターシャフトを1本持っておくといいでしょう。
み:ロングパターはちょっと抵抗があるし、センターシャフトは芯を外すと難しそうです。
宮城:中古のキャッシュインを安く手に入れるのもおすすめです。ラウンドで使わなくても、スタート前にセンターシャフトやキャッシュインで練習するだけでも効果はあります。アマチュアの方を見ているとスタート前は球打ちがメインで、パッティングはスタート直前に5球とか10球とか申し訳程度に転がして出ていく人が多いけれど、PGAのプロはまずパターから練習を始めるし時間をかけています。せめて10分くらいは練習して感覚をつかんでください。