ラーム自身が始球式を採点。「10点満点中6点か7点かな」
ア・リーグのテキサスレンジャーズ対ナ・リーグのアリゾナダイヤモンドバックスの対決となった同シリーズの盛り上がりはイマイチ。
現地でも視聴率の最低記録を更新したといわれるが、ラームは精いっぱい会場を盛り上げた。スペイン出身だが大学はアリゾナ。
そこで世界ランク2位にして今年のマスターズチャンピオンが、アリゾナを本拠とするダイヤモンドバックスに招かれたのだが、グリーンジャケットに淡いピンクのネクタイと黒いパンツのいでたちでマウンドに上がると、両手を広げ観客をあおるようなしぐさ。
スタジアムの空気を温めたところで、スウィング同様小さなモーションで、同じくアリゾナ州立大卒、ダイヤモンドバックスのピッチャー、メリル・ケリーが構えるグローブに白球を投げ込んだ。
しかし球は大きく右へ。やや不本意な投球だったが、
「球を速く投げる努力はした。10点満点中6点か7点かな。始球式に備え練習したときはトレーニングウェアだったから楽だったけれど、グリーンジャケットは動きがちょっと制限されるね(苦笑)」
マスターズ勝利の証しであるグリーンジャケットは、やたらと人前で着用していい代物ではない。
オーガスタナショナルGCのメンバーの証しであるため持ち出しが許されるのは優勝から1年のみ。翌年にはクラブハウスのロッカーに納められ、以降また勝たない限り門外不出となる。
それだけにワールドシリーズの始球式という晴れの舞台で世界中にグリーンジャケット姿をアピールできたラームの笑いは止まらなかった。
来季世界ランク1位奪還と、さらなるメジャー制覇を狙うラームは、それに集中するため来年始動するタイガーとマキロイ主宰のテクノロジーを駆使した新ゴルフリーグ『TGL』の参戦見送りを明らかにしている。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年11月28日号「バック9」より