国内シニアツアーで活躍する横田真一プロが、ドラコン選手の動きを学んで得た「体を鍛えなくてもできる飛距離アップのコツ」を、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

ポイントは「振り子」の延長としてスウィングすること

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。やっぱりいくつになっても飛距離は諦めたくないのですが、年齢とともにどうしても飛ばなくなってくるものです。こればっかりは仕方がないんだろうな~と思っていたのですが、週刊ゴルフダイジェスト11/28号に「50歳からのスウィング改造」という記事がありました。

この記事にはシニア入りしてからも飛距離が伸びている横田真一プロが取り組んでいることが書かれています。いったいどうやって飛距離を伸ばしたのか? 気になるので試してみることにしました。

画像: 週刊ゴルフダイジェスト2023/11/28号で特集されていた、横田真一プロ直伝の飛距離アップ法を実践!

週刊ゴルフダイジェスト2023/11/28号で特集されていた、横田真一プロ直伝の飛距離アップ法を実践!

横田真一プロといえば、自身のYouTubeチャンネルでいろいろと発信をされています。その活動の中でドラコン選手から学んだことを取り入れて、スウィングを改造したそうなんです。その成果でシニア入りしてからも飛距離が伸びているのだとか。ドラコン選手を取材するなかで横田プロが気付いたことが、腕力には頼らずに、クラブの力を引き出すコツを知れば、体を鍛えなくても飛ばせるということ。自分が頑張る必要はなくて、クラブに仕事をさせればいいということなんですね。

ではどうすればクラブが仕事をしてくれるのでしょうか? ポイントは「振り子」の延長としてスウィングすること。上体の力を抜いて、足を使って振り子を加速させる。そうすれば筋力がなくても飛距離が伸びるということなんです。その動きのポイントは、クラブが重力で落ちるのをほんの少しサポートすること。振り子の動きで軌道の最下点の手前に下りてきたタイミングで、支点をちょっと持ち上げれば、振り子は最小の力で加速させられるんです。これの動きをフットワークを使ってやればいいということなんです。

画像: 振り子の動きで、支点をちょっと持ち上げれば最小の力で加速できる

振り子の動きで、支点をちょっと持ち上げれば最小の力で加速できる

クラブを胸の前に垂らして振り子の動きをやってみると、その感覚がわかります。切り返しから少し沈み込み、クラブが最下点に来る少し前で伸び上がるようにすると、かってにクラブが加速してくれます。このときに支点が飛球線方向に動いてしまっては、クラブは全く加速しません。いわゆる「突っ込む」ような動きではクラブは加速しないんですね。

画像: 左に突っ込んでしまうと、支点がずれて振り子の動きにならない。クラブも加速しない

左に突っ込んでしまうと、支点がずれて振り子の動きにならない。クラブも加速しない

この振り子の原理をスウィングに取り入れればいいわけですが、ドライバーで飛ばすためにはちょっとしたアレンジが必要だそうです。振り子というと、ダウンスウィングからフォロー方向への加速をイメージするのですが、ドライバーの場合はバックスウィングで加速させることが大事なんだそうです。右方向に振り子を加速させ、伸び上がるように高い位置にバックスウィングすれば、あとはダウンスウィングで何もしなくてもヘッドが加速していくということです。でもトップで伸び上がるって、絶対に駄目な動きと思うのですが、ドラコン選手はみんな浮き上がるように上にバックスウィングしているそうなんです。

画像: 思い切って加速させながら伸び上がるほど高い位置にバックスウィングする

思い切って加速させながら伸び上がるほど高い位置にバックスウィングする

もうひとつ大事なことは「いかにクラブの動きをジャマしないか」ということ。バックスウィングでクラブを加速させ、高い位置にクラブが収まれば、肩も十分に回ってエネルギーがたまっています。それをジャマせずに解放すればいいわけです。逆に言えば、プレーヤーがいかに余計なことをしないかということが大事なんだそうです。そのために絶対にNGなのがクラブを強く握ること。グリップは親指と人さし指でつまんで、かろうじて指に引っかかっているくらいのユルユルでいいんです。

画像: 指先でつまむくらいのユルユルグリップで、クラブの動きをジャマしないようにする

指先でつまむくらいのユルユルグリップで、クラブの動きをジャマしないようにする

実際に試してみると……

さっそくこのイメージでボールを打ってみました。どのくらいヘッドスピードや飛距離が変わるか確認するために、最初にいつものスウィングで計測してみました。なんだかけっこう良い数値がでちゃったので、これを超えることができるのか心配です。

画像: いつものスウィングでの数値。ヘッドスピード42.6、ボール初速61.7、キャリー230.3ヤード

いつものスウィングでの数値。ヘッドスピード42.6、ボール初速61.7、キャリー230.3ヤード

そして記事で読んだスウィングを試します。とにかく速く高く、伸び上がることを気にせずにテークバックをして、あとはクラブの動きにまかせてフォローまで振り切ります。もちろんグリップはなるべくユルユルで。いつもと全く違う動きなので、さすがにいきなり上手くは打てません。引っかかったりミスヒットしたりが出ます。速くテークバックしてグリップをユルユルのままってのいうのもけっこう難しい。

何発か打ってたら少し慣れてきて、だんだんミートできるようになってきました。でもまだどうしても手で少し操作してしまう感覚があります。やはりここまで振ると、手で操作しないとボールに当たらないんじゃないかと思っちゃうんですよね。でも少しヘッドスピードは上がりました。ただし、飛距離はあまり変わらない感じ。やはりいきなりやってすぐに効果が出るようなことではないんですね。

画像: 慣れてくるとヘッドスピード、ボール初速ともに上がりましたが、少し下目に当たったのでキャリーが出ていません。ヘッドスピード43.2、ボール初速62.6、キャリー227.1ヤード

慣れてくるとヘッドスピード、ボール初速ともに上がりましたが、少し下目に当たったのでキャリーが出ていません。ヘッドスピード43.2、ボール初速62.6、キャリー227.1ヤード

しかし驚いたのはこのあとです。この感覚を持ったまま、いつものスウィングでボールを打ってみるとヘッドスピードが上がって飛距離が伸びました! 振り子のイメージや、クラブに仕事させるという意識が、いままでのスウィングに少し影響を与えたんでしょう。

画像: いつものスウィングに戻して打ってみたところ、なんとヘッドスピードも飛距離も伸びていました。ヘッドスピード43.4、ボール初速62.9、キャリー232.9ヤード

いつものスウィングに戻して打ってみたところ、なんとヘッドスピードも飛距離も伸びていました。ヘッドスピード43.4、ボール初速62.9、キャリー232.9ヤード

ということは、練習方法としては、今回やってみたスウィングは有効ということです。さすがにコースであれだけバックスウィングで振り上げてボールを打つというのは無理だと思うのですが、練習でやるのにはかなり効果がありそうです。どうすればヘッドスピードが上がるのか、ということを理解するのにはとてもいい練習になりそうです。ぜひみなさんも一度やってみてください。

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