同じシャフトを投入するタイガーと泰果
4月の「マスターズ」の途中棄権から8カ月ぶりの実戦復帰を果たすタイガー・ウッズ。復帰はもとより世界のゴルフファンの話題になっているのが、タイガーが手にしていた新しいドライバーだろう。
先日、USGAの適合リストに登録されたテーラーメイドの未発表ドライバー「Qi10LS」のヘッドに、シャフトはグラファイトデザイン「ツアーAD VF」を装着しているとの情報をキャッチ。国内男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の練習日に、「タイガーは『ツアーAD VF』の6TXを45.625インチにして投入するようです」と教えてくれたのはグラファイトデザインのツアー担当高橋雅也氏。
先に使用していたジャスティン・トーマスに勧められ、長さもトーマスと同じく45.625インチとやや長めのセッティングにしているという。トーマスは23年フェデックスカップシーズンを終え、「フォーティネット選手権」に出場する際に、同シャフトの45.625インチ仕様のドライバーをバッグに入れて5位タイでフィニッシュしている。
仲の良いトーマスからの勧めでタイガーも同じようなセッティングを試したであろうことは容易に想像できるが、新しいテーラーメイドのヘッドと共にシャフトとその長さも変えて実戦投入することには驚くべき変革だろう。
そのニュースが飛び込んで来たところで、国内男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の会場で調査したところ、蟬川が11月の「マイナビABCチャンピオンシップ」から「ツアーAD VF」の6TXを使用中ということが判明。長さは44.75インチ仕様で今大会でも使用するという。早速、蟬川に聞いてみた。
「もう少しつまかえられて、いろいろな球種を打てるシャフトを探していたところ、『VF』を試してみたらハマりました。直線性が強くて左右のブレも少ないので気に入っています」(蟬川泰果)
凄腕フィッターでプロの資格を持つ吉川仁氏に試打したインプレッションを聞いたところ、「中間から先端をしっかりさせたことでフェースがかぶって入らない、左へのミスを防いでくれるシャフト」とのこと。
同じ“タイガ”の名を持つ二人が同じシャフトを使用するというだけでも面白いのだが、ドロー、フェードを操る操作性を重視して選んだという蟬川のコメントは、同じように球を操るタイガーも求める性能であることに間違いないだろう。