シャフトが真っすぐ(垂直に)見えるようにインパクトする
坂詰 前回(第42回)、フェースを開くアプローチの話をしましたが、フェースを開けるようになると、バンカーショットも上手くなります。ですので、今回はバンカーショットの話をしていきたいと思います。
O編 バンカーを苦手にしている人、多いもんね。
坂詰 理由はいくつかあると思うんですが、バンカーが苦手な人って、やっぱりフェースを開けないんですよね。フェースを開けないと、バウンスが強く利かないから、砂が軟らかいバンカーや、砂が多いバンカーになると、ヘッドが砂に突き刺さってザックリしちゃう。そういう経験を重ねていくと、どんどんバンカーが怖くなっちゃうわけです。
O編 アプローチと同じように、フェースを開くと、球が右に飛びそうで嫌だって人が多いよね。
坂詰 リーディングエッジが右を向きますからね。でも、前回も説明しましたが、フェースを開いたときに球が右に飛ぶのは、インパクトで手が左に出ているからなんです。正面から見たとき、シャフトが真っすぐ(垂直に)見えるようにインパクトすれば、フェースをどんなに開いても、球は右に飛ばないんですよ。
O編 そういう意味でも、フィネスショットのアプローチとバンカーは似ているんだね。
坂詰 はい。基本的に、フルショットや50 ~ 60Y以上のアプローチは、右手首をヒンジした(甲側に折った)まま、体の回転でハンドファーストに打ちます。それに対して、フィネスショット(短いアプローチ)やバンカーショットは、ダウンスウィングでヒンジした右手首をリリースして、シャフトが真っすぐ見える状態でインパクトするのがポイントなんですよ。
トップの腕の位置を動かさないようにして、ヘッドだけを落としていく感じ
O編 インパクトで手が左に出ちゃう人は、どこに問題があるの?
坂詰 体を止めて腕を振っているんです。腕を目標方向(左)に振るから、手が左に出ちゃうんですよ。
O編 手と腕の力でクラブを動かそうとしてるってことだよね。
坂詰 そういうことです。バンカーショットは、腕を振ってダウンスウィングするんじゃなくて、なるべくトップの腕の位置を動かさないようにして、ヘッドだけを落としていく感じなんですよ。
O編 手元よりもヘッドを先行させちゃう感じ?
坂詰 そうです、そうです! 正直、ザックリが出る人=インパクトで手が左に出てしまう人は、手元よりもヘッドが先行した状態でインパクトさせるつもりで、ちょうどいいんですよ。
O編 そういえば、タイガー・ウッズも、バンカーショットは手元よりもヘッドを先行させるイメージだって言ってたよね。
坂詰 でしょ。ヘッドを先行させるっていうと変な感じがするかもしれませんが、それがオーソドックスな感覚なんです。
O編 なんか、いい練習方法はある?
坂詰 ストップ&ゴーのドリルがおすすめです。まず、①フェースを開いて握ったら、スクエアスタンスで、ボールをいつもより少し左に置き、(正面から見て)シャフトが真っすぐ見えるように構えます。
O編 スクエアスタンスでいいの?
坂詰 なるべく普通のショットと同じ感覚で打ちたいですからね。詳しい理由はまた説明しますが、バンカーが苦手な人は、まずスクエアスタンスから始めてみてください。
O編 その構えができたら?
坂詰 ②上半身を回旋させてバックスウィングしたら、③なるべく腕の位置を変えずにヘッドを落とし、インパクトの手前でストップします。
O編 手元よりもヘッドを先行させた形で止まるんだね。
坂詰 はい。で、そこからまた②のトップまで上げて、また、③のインパクトの手前でストップ。これを2~3回繰り返したら、最後は、インパクトの手前で止まらず、そのまま打ってしまうんです。
O編 それで、手が左に出ない感覚を身につけるってことか。
坂詰 ええ。なかなかバンカーの練習ができる環境はないかもしれませんが、この感覚がわかると、ザックリのミスは激減するので、機会を見つけて、ぜひ練習してほしいですね。
PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/GMG八王子ゴルフ場
※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月15日号「ひょっこり わきゅう。第44回」より