多くのゴルファーに愛され、ゴルフの楽しみを提供した話題のクラブに贈られる「ゴルフダイジェストアワード」の「クラブ・オブ・ザ・イヤー」。ドライバー部門、アイアン部門、特別賞の3部門に分かれているが、今回は特別賞のクラブが生まれた背景に迫る!

特別賞はオデッセイ「リミテッドエディション ジェイルバード380」

リッキー・ファウラーが使ったことで話題となり、さらに全米オープンから3週連続で優勝したオデッセイ「ヴァーサ ジェイルバード」。日本では知られざるモデルだったが、限定復刻発売されると即完売になるほど人気となった。

クラブ・オブ・ザ・イヤー 特別賞はオデッセイ「リミテッドエディション ジェイルバード380」

発売当初からPGAツアーでは一定の評価を得ていた

2014年に登場したオデッセイ「ヴァーサ ジェイルバード」。定番のツノ型#7とセイバートゥースが融合したような形は、同時期にリリースされた「ホワイト・ホットプロ ハボック」と同じように、ソールがペタッと地面に付くようにデザインされ、ヘッドを低く長く押せるように考えられた大慣性モーメントのネオマレットだった。日本では異形扱いされ、まったく話題にもならなかったがPGAツアーでは一定の評価があり、パット・ペレスなど使用する選手がいたというが、彼らはもちろん普通の長さで使っていた。PGAツアーに需要があったことから、2017年にはオー・ワークスにジェイルバード ミニがラインナップされプロトタイプがツアーに供給されるが、やはり日本では見向きもされなかった。

2022年のZOZOチャンピオンシップを制したキーガン・ブラッドリーが2014年のヴァーサ ジェイルバードの中尺モデルを使い4年ぶりに優勝。だがこの時はこのパターがこれだけ話題になるとは誰も予期していなかった。

2022年ZOZOチャンピオンシップでのキーガン・ブラッドリーのウィニングパット。(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)

昨年のオフにくしくもZOZOチャンピオンシップでブラッドリーに敗れ2位に終わったリッキー・ファウラーからジェイルバードのオーダーが入った。

1月からジェイルバードを投入したファウラーは徐々に調子をあげ、トップ10入りを何度か繰り返すようになる。すると3月にファウラーと練習ラウンドしたオクラホマ州立大学の後輩、ウィンダム・クラークも、「ファウラーと同じパターが欲しい」とジェイルバードを注文。全米オープンでは同じパターを使う2人が優勝争いをしクラークが優勝。翌週のトラベラーズ選手権ではキーガン・ブラッドリーが勝ち、続くロケットモーゲージクラシックではリッキー・ファウラーが4年ぶりの復活優勝と、ジェイルバードが3連勝を飾った。

画像: モデル名の「380」は約380gというヘッド重量を表している。

モデル名の「380」は約380gというヘッド重量を表している。

夏に数量限定で復刻発売も即完売

「キーガン・ブラッドリーとリッキー・ファウラーのパターはインサートが違います。ブラッドリーは2014年の初代と同じホワイト・ホットインサート。ファウラーとクラークのは2017年のジェイルバードミニに搭載されていたマイクロヒンジ・インサートです。一般的にパッティングでボールは打ち出された後は回転がかかる前にスキッド(滑る)するので、ここでラインから外れてしまうこともある。ところがマイクロヒンジ・インサートはフェース面に浮き出た無数の爪状のヒンジ部分が、ボールを引っかけるため、インパクトからすぐにボールに順回転を与え、狙ったライン通りに転がっていくんです」(キャロウェイゴルフ・茂貫太郎氏)

PGAツアーでの活躍を受け、夏に急遽復刻発売した「リミテッドエディション ジェイルバード380」はリッキー・ファウラーのモデルを再現しており、長さは39インチで中尺用の長いグリップを装着。

画像: 長さは39インチでスーパーストロークの中尺用グリップを装着。

長さは39インチでスーパーストロークの中尺用グリップを装着。

「シャフトが長く重く、ヘッドも380gと重いため、より振り子のように振れるのでストロークが安定します。また、グリップを短く握ればカウンターバランスになるため、よりブレません。今回は色も形も復刻しましたが、将来的にはオデッセイの最新モデル『AI-ONE』で採用されているAIが設計したインサートを搭載したモデルが出るかもしれません」(茂貫氏)

PHOTO/Takanori Miki、Tomoya Nomura、Akira Kato

※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月19日号「受賞クラブはこうして生まれた」より一部抜粋

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