母はかつてグリーンの妖精として一世を風靡したローラ・ボー、父は元PGAツアープロ、ボビー・コール。アスリートのDNAを受け継ぐエリック・コールがルーキー・オブ・ザ・イヤー候補に選ばれた。20代が台頭するツアーでは異例ともいえる遅咲きの35歳。年齢だけではなく彼のワーカホリック(ゴルフ中毒)的生活が話題を呼んでいる。

PGAツアー22-23年シーズンのルーキー・オブ・ザ・イヤー候補に正式にノミネートされた翌日、コールの姿はフロリダ州ジュピターのアバコアGCにあった。優勝賞金1万ドル(約148万円)のマイナーリーグゴルフツアー選手権に出場するためである。

今季レギュラーツアー37試合(多くのプロは25試合前後)に出場し準優勝2回、トップ10入り7回、およそ550万ドル(約8億円)を稼いだ彼がなぜロッカールームも用意されておらず駐車場でゴルフシューズに履き替えカートで回る環境でプレーをしたのか?

画像: ローラ・ボーの息子、エリック・コールがPGAツアーのルーキー・オブ・ザ・イヤー候補に選ばれた(写真は2023年のZOZOチャンピオンシップ 撮影/岡沢裕行)

ローラ・ボーの息子、エリック・コールがPGAツアーのルーキー・オブ・ザ・イヤー候補に選ばれた(写真は2023年のZOZOチャンピオンシップ 撮影/岡沢裕行)

それは戦う場所がなかった苦労時代にマイナーリーグで世話になったという思いがあるから。PGAツアーに昇格する前、コールはマイナーリーグで57回優勝しているのだが、自身のバックグラウンドを忘れないためツアーで優勝争いをしながら並行してマイナーリーグでもプレーを続けていたのだ。

画像: エリック・コールの母、ローラ・ボー。その美貌から「グリーンの妖精」と称され一世を風靡した(写真は1975年)

エリック・コールの母、ローラ・ボー。その美貌から「グリーンの妖精」と称され一世を風靡した(写真は1975年)

「これは僕のDNAの一部。とにかくプレーし続けることが好きなんだ。マイナーリーグでもファンに知られていない凄い才能が眠っている。もし彼らの誰かが僕を倒せば成功への道は近いと思ってもらえる」(コール)

6月のトラベラーズ選手権を24位タイで終えた日には一晩中車を運転し7時間かけマイナーリーグのフランクBフューラージュニア選手権に出場、そして優勝している。遠征費にもことかいていたプロデビュー間もない12年前、ここでの勝利が競技を続ける足がかりとなった恩を忘れないための行動だった。

新人賞ノミネート翌日に出場したマイナーゴルフリーグツアー選手権でも62-67をマークし見事優勝。賞金10万ドル、プラスボーナス5万ドル(合計約220万円)を獲得し通算58勝目をゲットした。

ツアーのポイントランクは43位で来季は昇格試合に出場する権利があるにも関わらず、フェデックスカップ フォールに出続けていたのはなぜか不思議だったが、目の前に試合があれば出ずにはいられない、それが彼のDNAに組み込まれたプログラムなのだ。

ちなみにフォールは5試合に出場し4試合で4位以内に入っている。止まることを知らない35歳の歩みが気になる。

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