12月8日、9日の2日間、太平洋クラブ八千代コースで新しいトーナメントが開催された。その名も「PGAヒッコリーゴルフトーナメント TAIHEIYO CLUB CUP 2023」。ヒッコリーシャフトのクラブとニッカーボッカーの着用が出場条件で、日本プロゴルフ協会が主管するプロアマ大会だ。

日本の“ヒッコリーの聖地”で開催

開催した太平洋クラブ八千代コースは日本最大級のヒッコリークラブショップを持ち、ヒッコリークラブでラウンドする月例競技を開催するなど「日本の“ヒッコリーの聖地”を目指しています」と広報担当者。その聖地に、倉本昌弘をはじめ、シニアツアーで活躍する28名と、宮里美香、小斉平優和のあわせて30名のプロと30名のアマチュアが参加した。

出場条件にある“ヒッコリーシャフト”とはクルミの木を使ったシャフトで、スチールシャフトが登場する20世紀の前に使用されたもの。とはいえ、ヒッコリーシャフトのクラブを所有しているプロは多くなく、大半のプロがコースのレンタルクラブ。クラブを持参したのが、倉本昌弘、奥田靖己、そして水巻善典だ。

画像: 「綺麗なクラブを揃えてきた」と水巻がいうように工芸品として見ても美しい

「綺麗なクラブを揃えてきた」と水巻がいうように工芸品として見ても美しい

その水巻は「所属の鳴尾GCにあった4セットのうち、いちばん綺麗なクラブを持ってきたよ」と笑いながら、「本数が限られているので、数十ヤードの距離を1本のクラブで打ち分けなければならない。もちろん、それは難しいんだけど、頭を使って距離はもちろん、フェード、ドロー、球の高低を駆使してホールアウトする。いまの“アスリート”ゴルフももちろん悪くはないんだけど、頭や技を使って楽しむという、忘れがちな“ゴルフの本質”というのがある。面白いよ、ほんとうに」とヒッコリーの良さを語る

肝心の競技は初日2オーバーの74、最終日2アンダーの70でトータルイーブンパーの篠崎紀夫が優勝した。懇親会を兼ねた表彰式では「はじめてヒッコリーのクラブを握りラウンドしました。ボールはもちろん、あるがままにプレーした結果だと思います。(太平洋クラブの)社長が10年続けたいということなので、来年から10連覇を目指して、まずはヒッコリークラブを購入し、通い続けたいと思います」と話した。

画像: 稲見萌寧など数多くのプロを輩出した北谷津GG所属の篠崎紀夫

稲見萌寧など数多くのプロを輩出した北谷津GG所属の篠崎紀夫

ヒッコリートーナメントは構想が無限大

プロとしてではなく、賞金を受け取らない“ゲスト”として参加した中西直人は「ヒッコリーは初めて打ったけど難しい。でも、すごく面白い。いまのクラブでラウンドすると男子と女子、プロとアマの差が大きく、プロアマとか一緒に回っても楽しめない人はいると思う。でも、ヒッコリーならその差がなくなるので、より楽しめると思います。来年も参加したいですし、もし可能なら“ヒッコリー3ツアーズ”をやりたいですね」と話せば、同組で回った高島早百合も「私たちの組は、シニアの片山康プロがいて、まさにヒッコリー3ツアーズでした。そして、アマチュアの方もいたので、“3ツアーズ+アマ”という新しい組み合わせで、全員が楽しめてホールアウトできました。“ヒッコリー3ツアーズ”は私も参加したいです」と語った。

画像: 珍しいニッカーボッカー姿の高島早百合と中西直人

珍しいニッカーボッカー姿の高島早百合と中西直人

なお、大会の模様は来年1月20日11:30~12:00にCSチャンネルのゴルフネットワークにて放送予定となっている。

PHOTO/Hiroaki Okazawa
※2023年12月13日13時50分 一部加筆修正しました。

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