プロゴルファーやジュニアゴルファーをはじめさまざまなスポーツ選手のメンタルアドバイザーを務める丹波幸一氏。元プロ野球の審判という異色の経歴を持つティーチングプロ、丹波氏がゴルファーに役立つ”心の操作法“を連載形式で語っていく。第10回のテーマは「2つの行動パターンの違い」だ。
画像: ゴルファー同士、お互いがどんな「行動パターン」をするタイプが知っておくことは大切だ(写真はイメージ)

ゴルファー同士、お互いがどんな「行動パターン」をするタイプが知っておくことは大切だ(写真はイメージ)

「目標思考型」の行動パターンとは?

ゴルファーの行動パターンには主に2分類、目標思考型と状況対応型が存在します。 

目標思考型とは、何をするにも目標を決めて計画を立ててから行動するグループです。期限を定めたり、ノルマを課せられたりするとキッチリ目標を達成します。目標達成によって得られる成果を喜びにします。

目標は数字ベースで立てることが多いですが、数字に強い地球のキャラは全てが目標思考型に属します。 

想定外のスケジュール変更などには臨機応変に対応できないので、計画通りに物事が進まない時にはストレスになったり、もろさも見え隠れします。

ラウンド中のプレイ進行、天気予報が外れた場合の予期せぬアクシデントなどの対応も苦手です。 遠征中の新幹線、飛行機などの移動、ホテルの予約、旅程なども全て計画通りに進めたいタイプです。 

目標思考型は時間の流れも、まずは結果を決めて、そこから逆算して物事を考えます。時間感覚は、例えばスタート時間から何時にゴルフ場に着いて、何時に家を出て、何時に起きて、何時に寝るなど、全てが逆算の引き算です。

人間関係においては、仕事とブライベートを区別し本音、本音重視の付き合いができます。本音を言わないと人に、信頼してもらえないと思っています。そして自分も本音を言わない人は信用しないという考えもあります。

しかし、どうでもいい人に対しては本音を言いません。

ゴルフにおいても結果重視となり、スコア目標を達成しないとストレスになります。目標の立て方も、目標を決めてからスタートし、予定通りに動きたいので、期限を決めないと動き出せなくなります。“いつまでに”やるかは大事になります。

過程ではなく、結果重視です。他の人に対しても、結果重視の判断で目標達成能力を問う傾向があります。有言実行型で論理派でもあります。

2次会やラウンド後の食事などについても、時間的な説明が必要になります。レッスンの価格や時間なども、明確な説明は必要です。

「状況対応型」の行動パターンとは?

状況対応型は、大きな方向性だけ決めて、あとは臨機応変に行動するグループです。

期限を決められたり、ノルマを課せられるのはプレッシャーとなり、弱いです。何事も目の前のことから一つずつ処理していきます。

方向性が決まったら、あとは状況に対応しながらハプニングを楽しみます。

状況対応型の時間の流れは、足し算感覚で積み上げていく時間感覚です。今を生きる、今を楽しみたいという感覚を構築します。 

人間関係に関してはじっくりと見極めたいので、付き合いは建前から入り、だんだんと心を開きます。信頼している相手には正直に話そうとする姿勢があります。

どうでもいい関係性は本音を吐いてしまいます。 人間関係が終わる時も、ついつい本音が出てしまいます。

割り切った付き合いが苦手で、誘いを断るのが苦手です。

ゴルフにおいては過程重視になり、物事が計画通りに実行しなくてもストレスにはなりにくいです。 しかし、期限やゴール、ノルマはプレッシャーとなり力が発揮しにくくなります。

物事は“いつから”始めるかが重要です。 “いつから”始めるかがモチベーションにつながります。 同じことを続けると退屈に感じてしまいます。 

言わずとして行動する不言実行型で、感覚重視の感覚派です。

人に対しては結果で判断するのではなく、そこまでの取り組んできた姿勢を評価します。

年間の予定などは、はっきり決めません。急に予定が変わったりしても、そのハプニングすら楽しむくらいです。トラブル時には抜群の力を発揮し、オロオロせずにどっしりと落ち着いています。

相手の行動パターンを理解することが大切

 ゴルファーには目標思考型と状況対応型の2つの行動パターンがありますが、これらは性格というよりは行動パターンなので、相手がどちらのタイプかを知ることで、よりお互いの人間関係を理解できるようになります。

全く異なる2タイプなので、この違いを知っているかどうかで、付き合い方がかなり楽になります。 ゴルファー人口では60%が目標思考型ゴルファーで、40%が状況対応型ゴルファーです。

ゴルフ界においても、いろいろな見方ができます。 例えば目標思考型コーチのレッスンでは、まずは目標を明確に定めます。それに向かって計画を立ててレッスンが展開されます。最初から本音を言う人間関係になります。公私の区別がきっちりしているので、仕事とプライベートの公私混同をすることはありません。レッスンの終了も時間通りで、サービス延長はありません。

状況対応型コーチの場合は、大きな方向性だけを決めて、臨機応変な対応になります。いつまでに100を切りたいという要望は、逆にプレッシャーになります。生徒との距離感は建て前から入ります。最初はなかなか本音が言えませんが、人間関係が終了する時に本音が出てしまいす。

正反対にある目標に向かって突き進む(目標思考型)と、物事に柔軟に対応する(状況対応型)はいかがでしたか? 正反対の2つは強力に引き合います。しかし一旦人間関係の歯車が狂うと強烈に反発してしまうので、お互いどのタイプかを知ることは大切になります。

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