大会初日、出遅れたケプカは2日目、3日目に66の好スコアをマークし単独トップに躍り出た。迎えた最終日1打リードでスタートしたが開始早々3連続バーディを奪い4番で後続に3打差をつけた。そのままのペースで逃げ切るかと思われたが6番、7番で連続ボギー。
そこからホブランの猛追にあい、ハーフターンでその差は1打まで縮まっていた。さらに終盤まで僅差の緊迫した接戦が続いたが16番でホブランのセカンドショットがガードバンカーの淵に刺さるトラブル。ドロップを余儀なくされダブルボギーとして万事休す。
この日のベストスコア65を叩き出したスコッティ・シェフラーとホブランに2打差をつけたケプカが全米プロ4年ぶり3度目の戴冠を果たした。
全米オープン2勝を合わせるとメジャー5冠目。メジャー5勝は史上20人目の快挙。
「子供の頃はこんなに勝てるとは思っていなかった。いろいろあった分、今回の勝利が一番スウィート。でもまだキャリアの途中なのでそのこと(何勝したか)は考えないようにしている。いつか引退したら妻と息子(現在ジェンナさんは妊娠中)と一緒に振り返って思い出を楽しみたい。それまでは勝利数を増やすことだけを考える」とケプカ。
勝てなかったここ数年、ケガ、手術、リハビリの日々を送り「痛かったし辛かった」。メジャーになると面白いように勝っていた日々は過ぎ「なぜあの頃のようなゴルフができないのか?」ともがき苦しんだ。それでも徐々に体調が回復すると自分のゴルフに対する自信が戻ってきた。
ところがマスターズでは首位からスタートしながら最終ラウンドで75と崩れ手を伸ばせば届くところにあったグリーンジャケットは両手からこぼれ落ちた。
「何が悪かったのか一晩中考えた。今週は絶対にマスターズの二の舞は踏まないつもりでプレーした。あの敗戦から学んだものは大きかった」
LIV勢初のメジャーチャンピオンになったケプカの自宅には壁一面に戦利品のトロフィーを展示するショーケースがある。真ん中の一番目立つ場所は「グリーンジャケットを飾るため」取ってある。来年オーガスタで必ずやリベンジを果たすつもりだ。