プロゴルファーやジュニアゴルファーをはじめさまざまなスポーツ選手のメンタルアドバイザーを務める丹波幸一氏。元プロ野球の審判という異色の経歴を持つティーチングプロ、丹波氏がゴルファーに役立つ”心の操作法“を連載形式で語っていく。第11回のテーマは「2つの『心理ベクトル』と『思考パターン』の違い」だ。
画像: 「心理ベクトル」と「思考パターン」を知ることで、ゴルフのプレーにも役立つ(写真はイメージ)

「心理ベクトル」と「思考パターン」を知ることで、ゴルフのプレーにも役立つ(写真はイメージ)

前回紹介した、正反対にある目標に向かって突き進む(目標思考型)と、物事に柔軟に対応する(状況対応型)はいかがでしたか? 今回は未来展望型か過去回想型の心理ベクトル2分類と、右脳型か左脳型の思考パターン2分類について解説します。

心理ベクトル「未来展望型」とは?

ゴルフアーの心理ベクトルには、「未来展望型」か「過去回想型」に分かれます。 

「未来展望型」とは"どうにかなる"とプラス思考で前向きなタイプになります。常に希望的観測で物事を捉えているのでプラス思考に見えます。過去に固執しないで、未来を向いて前向きに人生を考えています。

ゴルフ場の行き帰りの荷物、キャディバッグの中身など、必要なもの以外は持っていない人が多いです。特にゴルフ旅行やゴルフ合宿の荷物の多さを比べると、過去回想型とは大きな違いが出ます。 未来展望型は、何か必要なら現地調達したらいいと言うくらい荷物の量が少ないグループになります。

未来展望型に練習器具の使い方を説明する時には、この練習器具を使うと、こんな効果があり、こういう人にはこう役立ちますよ!と、その商品の長所と便利さを強調することによって心が動かされます。

考えると即行動に移せるのは強みですが、前向き過ぎて、おっちょこちょいの一面があるので、ゴルフでは特に慎重になるように自覚したほうがいいかもしれません。

未来展望型のタイムマシンの使い方は、5年後の自分の姿がどうなっているのか見てみたい!とか、自分の子供たちの将来を見てみたい!とか、未来に時間をタイムスリップさせます。

心理ベクトル「過去回想型」とは?

「過去回想型」とは経験や過去の実績を重視するタイプになります。石橋を叩いて渡るように慎重なので、一瞬返事が遅く、マイナス思考に思われがちです。決してマイナス思考ではなく、過去と比べてから判断するためです。 

過去に意識が向いているので、伝統や習慣を重んじます。 

ゴルフ場への荷物、キャディバッグのボールの数、ティーの数など、“もしも”に備えるために、荷物が増える傾向になります。ボールは上手い人でも必要以上を用意して安心が必要です。旅行も同じで、未来展望型と比べると、スーツケースの大きさも違うくらい荷物が多いです。あれも必要、これもないと困るなど、用意周到が特徴です。雨も降らないのに、レインウェアがキャディバッグに常に入っていたら、過去回想型人間かもしれません。

過去回想型には、この商品がなかったら困るかも?という不安を強調されると購入してしまいます。

ラウンドでも、前回はどうだったということを振り返りやすく、それがマイナスに働かないように気をつけなければなりません。自分を過去回想型と自覚するだけで、慎重なのはプラスに捉え、過去の失敗を成功に変えて前向きな判断ができます。

過去回想型のタイムマシンの使い方は、中学1年生の時に戻って、あの時から人生やり直したい!と、過去に時間をタイムスリップします。

「右脳型」の思考パターンとは?

ゴルファーの思考パターンは「右脳型」と「左脳型」に分かれます。

「右脳型」は、精神エネルギーが高いグループで、スピリチュアルなもの、目に見えないものを重視した生き方が適しています。理論的な考え方ではなく、想像力を働かせて、感性で受け止めることが得意です。

コーチが右脳型の場合は、直感的な感覚で伝えたりするので、左脳型には理解しずらかったりします。しかし右脳型コーチと右脳型生徒の組み合わせは、感覚が合うとびっくりするくらい意気投合します。

ゴルフ用品の説明や技術的な指導においても、右脳型にはわかりやすいように必ず何かに例えて、イメージしやすいように伝えなければなりません。

鋭い感性やイマジネーションは、ゴルフに十分生かされるところなので、右脳型ゴルファーであることを自覚することが武器になります。

「左脳型」の思考パターンとは?

「左脳型」は、経済エネルギーや社会エネルギーが高いグループで、何事も理論やデータ重視で捉えようとします。 現実的なビジネスの世界、集団の中でもたくましく生きるのが本質です。

コーチが左脳型の場合は、"なぜそうなるのか?"というビデオ解析や、データ分析などを駆使するスイング解説や、データベースの具体例を挙げての教え方を得意とします。左脳型コーチが右脳型生徒に教える場合は、必要なデータだけを抽出して、全てを見せないように感覚的に伝えなければ右脳型には全く響きません。

左脳型にゴルフ用品の説明をするときは、データを見せて、現実的なものを証明すると良いでしょう。目に見えないものや、実感のないものは左脳型は信用しません。

フェアウェイキープ率やパーオン率、平均パット数など、アプリで管理するのは左脳型が多いです。

今回は2分類される心理ベクトルと思考パターンについて解説しましたが、あらためて自己分析の重要性が伝わったと思います。自分を知ることも大切ですが、相手を知ることにより、より人間関係がスムーズになります。

3分類の使い方、行動パターン、心理ベクトル、思考パターンを理解すれば、レッスンではお客様への対応にも厚みが出ます。販売員にとっても、声かけから会話内容までも対応の幅が広がります。 キャディさんとの会話や関係性においても使える実学です。 

色々な業界のトップセールスやマーケティングでも、この手法は使われています。ゴルフ界でも、利用される側から利用する側に立ちましょう!

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