2023年も世界の男女ツアーで熱い戦いが繰り広げられ、新記録や珍記録がいくつも生まれた。そこでさまざまなデータを通して今季のツアーを振り返っていこう! 最後となる第4回目はツアーで起きたアクシデントやサプライズをお届けします。

ツアーで起きた事件簿

毎週のようにツアーではさまざまなドラマが生まれている。記録には残らないかもしれないが、今年起こった珍しい出来事を振り返ってみよう!

幻のホールインワン/ペ・ソンウ
日本女子オープン3日目の7番パー3。ペ・ソンウが放った1打目がカップに直接飛び込みホールインワン達成かと思われたが、ボールの一部がグリーン面よりも上に出た状態で止まっていた。競技委員を呼んで確認したところ、「ホールに入った」のではなく「ホールの側面に食い込んだ」状態であると判断され、ホールインワンとは認められなかった。

画像: 写真は23年日本女子オープン最終日のぺ・ソンウ(photo/Tadashi Anezaki)

写真は23年日本女子オープン最終日のぺ・ソンウ(photo/Tadashi Anezaki)

起死回生の片手チップイン/岩井明愛
ニチレイレディス最終日、8番パー4。岩井明愛の2打目がグリーン横のバンカーの縁で止まった。深いバンカーに片足を入れて打つか悩んだが、縁に立ったまま右手1本で打つことを選択。このボールがスルスルとホールに引き付けられるようにカップイン。優勝争いのなか、絶体絶命のピンチをパーでしのいで優勝争いに踏みとどまった。

画像: 練習日ではありません! 23年ニチレイレディスの最終日、8番グリーン周りのひとコマ(photo/Shinji Osawa)

練習日ではありません! 23年ニチレイレディスの最終日、8番グリーン周りのひとコマ(photo/Shinji Osawa)

池から打ってパーセーブ/神谷そら
国内女子ツアー最終戦、リコーカップの3日目。18番の1打目を右の池に打ち込んだ神谷そらだったが、行ってみると池の水位が下がっていて、なんとか打てる状況。池に沈んだボールが散乱する池の底から「あるがまま」打って見事にリカバリー。そのホールをパーで切り抜けた。もし水位がいつも通りなら……。

画像: 23年リコーカップ3日目。 レッドペナルティエリアからショットする神谷そら(photo/Hiroyuki Okazawa)

23年リコーカップ3日目。 レッドペナルティエリアからショットする神谷そら(photo/Hiroyuki Okazawa)

5球連続池ポチャで「14」/岩井千怜
ゴルフ5レディス2日目の16番パー4。強い風が吹くなか、岩井千怜が1打目を左の池に入れてしまう。ラフにドロップした球を3UTで打つとまた池。さらに同じ位置から2度池に入れ、3Wに替えた9打目も池。結局12オン2パットのツアーワースト2位タイとなる「14」となってしまった。ちなみに国内女子ツアーの1ホールワーストスコアは17年NEC軽井沢で山田成美が記録した「15」。

画像: 写真は23年ゴルフ5レディス2日目の岩井千怜(photo/Hiroyuki Okazawa)

写真は23年ゴルフ5レディス2日目の岩井千怜(photo/Hiroyuki Okazawa)

史上初の27ホール短縮&セカンドカット
ヨネックスレディスは初日が悪天候で中止になると、2日目も濃霧のためサスペンデッドとなり、最終日に1Rの残りを消化し、セカンドカットの後に決勝を同一の9ホールで戦うという、3日間競技が成立する最少ホール数「27ホール」の短縮競技に変更された。セカンドカットと27ホール短縮が同時に行われるのは女子ツアー初となったが、川岸史果がプレーオフで佐久間朱莉を下し6年ぶりの優勝を果たした。

画像: 近距離から撮影したリーダーズボードも霞むほど(photo/Hiroaki Arihara)

近距離から撮影したリーダーズボードも霞むほど(photo/Hiroaki Arihara)

スタート時間を間違えて失格/松村道央
日本オープン初日。スタート時間になっても松村道央がティーイングエリアに現れない。実は初日のスタート時間は8時5分だったのに対し、2日目は12時20分だったため、初日と2日目のスタート時間を勘違い。5分未満の遅刻であれば2罰打のみで済んだが、間に合わずに失格処分に。予選会を突破してつかんだ本選出場だったが、うっかりミスでチャンスをふいにした。

画像: 写真は18年ミズノオープン最終日の松村道央(photo/Hiroyuki Okazawa)

写真は18年ミズノオープン最終日の松村道央(photo/Hiroyuki Okazawa)

人気YouTuberの資格で推薦出場/堀川未来夢
フォロワー数約34万人を誇るYouTuberとしての顔を持つ堀川がZOZOチャンピオンシップに主催者推薦枠で出場。同大会では初年度に香妻陣一朗がYouTubeでゴルフの魅力を発信したことが評価されて出場したが、推薦理由に「人気YouTuber」と明記されたのは初。堀川は初日を5アンダーの2位タイで終えたが、それ以降はスコアを伸ばせず。31位タイで大会を終えた。

画像: 23年ZOZOチャンピオンシップ3日目。ティーショットを放つ堀川未来夢

23年ZOZOチャンピオンシップ3日目。ティーショットを放つ堀川未来夢

競技終了5日後に失格/ジュビック・パグンサン
マイナビABCチャンピオンシップを8位タイで終えたジュビック・パグンサン。約340万円を手に入れたが、3日後に「提出したスコアが間違っていた可能性がある」と本人から申し出。JGTOが精査した結果、最終日の18番が1打少ない過少申告に当たると失格処分になり、成績や賞金配分、部門別データなどが修正された。競技終了後の失格処分は、男子ツアー史上初。

画像: 23年マイナビABCチャンピオンシップの最終日のJ・パグンサン(photo/Hiroaki Arihara)

23年マイナビABCチャンピオンシップの最終日のJ・パグンサン(photo/Hiroaki Arihara)

パー4でホールインワン/ビクトール・ホブラン
ライダーカップの練習日、5番・305ヤード・パー4でホブランが放ったティーショットはグリーン手前に落ちるとそのまま転がってカップに吸い込まれた。練習ラウンドなので正式な記録とはならないが、PGAツアーでもパー4でホールインワンが出たのは過去一度だけ。このスーパーショットを目撃したギャラリーたちは、本戦にも勝る大歓声を上げていた

画像: 2023年ライダーカップの練習ラウンド中、5番ホールでホールインワンを決めた後、観衆にボールを投げるビクトール・ホブラン(photo/Getty Images)

2023年ライダーカップの練習ラウンド中、5番ホールでホールインワンを決めた後、観衆にボールを投げるビクトール・ホブラン(photo/Getty Images)

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Hiroaki Arihara、Blue Sky Photos、Yasuhiro JJ Tanabe、Getty Images
※週刊ゴルフダイジェスト2024年1月2日号「2023 ツアーマニア総決算」より一部抜粋

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