2023年の女子ツアーで多くのファンを魅了した女子プロたちの1年間の試合中や試合以外の取材写真を総チェック。6回に分けて選手たちの活躍ぶりと厳選写真を紹介。4回目は岩井姉妹。姉の明愛と妹の千怜それぞれの活躍と双子の活躍ぶりを写真で紹介!
画像: RKB×三井松島レディスで"直ドラプレーオフ対決"。妹の千怜に軍配が上がった(撮影/岡沢裕行)

RKB×三井松島レディスで"直ドラプレーオフ対決"。妹の千怜に軍配が上がった(撮影/岡沢裕行)

2023年は岩井ツインズこと岩井明愛、千怜の双子姉妹が女子ゴルフツアーを大いに沸かせた。

5月のRKB×三井松島レディス最終日。福岡カンツリー倶楽部和白コースの18番パー5からギャラリーの大歓声が沸き上がった。史上初となる姉妹そろってのプレーオフに進出を果たし、1ホール目は同じくプレーオフに進んだ山下美夢有を含め3人がパー。迎えた2ホール目。岩井姉妹は2人ともフェアウェイから“直ドラ”で果敢に2オンを狙った。結果は2人ともグリーンを捕らえられなかったが、3打目のアプローチを明愛は2メートル、千怜は1メートルにつけ、千怜だけがバーディを奪って決着をつけた。

画像: ふたりの直ドラショットがLPGAのメディア賞「ベストショット」部門賞を受賞した(撮影/岡沢裕行)

ふたりの直ドラショットがLPGAのメディア賞「ベストショット」部門賞を受賞した(撮影/岡沢裕行)

高い技術を要する”直ドラ"をツアー優勝がかかった重要な局面で選択することは、現実の世界ではほとんどなく、この漫画のようなプレーは後世にも語り継がれるに違いない。2人のこの1打はゴルフを取材するメディアにも強い印象を与え、昨年12月に都内で行われたJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)アワードではメディア賞「ベストショット部門」を受賞した。

画像: ニチレイレディス最終日、右手1本でグリーン外からチップインを決めた明愛(撮影/大澤進二)

ニチレイレディス最終日、右手1本でグリーン外からチップインを決めた明愛(撮影/大澤進二)

6月のニチレイレディスでは、史上初の姉妹で最終日最終組が大きな話題になったが、8番パー4で明愛が常識では考えられないようなミラクルプレーを披露。2打目をグリーン左のバンカーの近くに外し、3打目を打つには右足だけがバンカー内に入るような難しいライだったが、明愛は両足でバンカーの側に立ち、あろうことか、右手の片手打ちでコツン。ボールはグリーン上に落ちてからコロコロと転がり、左の縁からカップに吸い込まれた。びっくり仰天のチップインバーディ。両手を高々と上げる明愛にギャラリーから嵐のような拍手と歓声が降り注いだ。

画像: 明愛の片手アプローチは6月のPLAY OF THE MONTHに選ばれた(撮影/大澤進二)

明愛の片手アプローチは6月のPLAY OF THE MONTHに選ばれた(撮影/大澤進二)

「左打ちという選択もあったんですけど、片手の方が確率が高いと思ったので、選んでみました。普段練習する時に左も右も片手打ちをやっているので、安心感はありました。また歴史に残るようなショットを打ちたいと思います」

この片手チップインはJLPGAが制定するPLAY OF THE MONTHの6月に選ばれたほどのインパクトがあったが、岩井姉妹は練習のスタート時に必ず左右の片手打ちを行うそうで、本人にとってはそれほど変わったことではなく「自信ですか? ありました」と笑顔で振り返った。

画像: 東海クラシックで開催されたドラコン大会で2位に輝いた千怜(撮影/大澤進二)

東海クラシックで開催されたドラコン大会で2位に輝いた千怜(撮影/大澤進二)

飛距離が自慢の2人だけに、住友生命Vitalityレディス東海クラシックの2日目に行われるドラコンにも参加。明愛は記録なしに終わったが、268.6ヤードを記録した千怜が2位と気を吐いた。参考までに23年のドライビングディスタンスは明愛が257.88ヤードで5位、千怜が253.22ヤードで11位だった。

画像: 今季は同組で回ることが多かった(撮影/姉崎正)

今季は同組で回ることが多かった(撮影/姉崎正)

23年は漫画のようなショットが話題を独占した感じだが、大躍進のシーズンでもあった。明愛はKKT杯バンテリンレディスで初優勝すると、年間3勝を挙げ、メルセデス・ランキング1位を山下美夢有、申ジエと最終戦まで争った末に3位。年間獲得賞金では約1億7000万円で堂々の2位だった。千怜も年間2賞をマークして、メルセデス・ランキング6位。年間獲得賞金も約1億2000万円で5位にランクインした。

画像: ペブルビーチで開催された全米女子オープンでティショットを放つ千怜(撮影/Yasuhiro JJ Tanabe)

ペブルビーチで開催された全米女子オープンでティショットを放つ千怜(撮影/Yasuhiro JJ Tanabe)

活躍の場は国内だけではなく、海外挑戦も果たした。7月の米ツアーメジャー第3戦、全米女子オープンには千怜が世界ランクで、明愛が日本地区予選をトップ通過して、姉妹で参戦。結果は千怜が48位、明愛はカットラインに1打足りずに予選落ちとなったが、近い将来の世界進出へ向けて、記念すべき1歩を踏み出した。

画像: 2024年も姉妹ともども優勝の数を重ねていくだろう。写真はKKT杯バンテリンレディスで姉が初優勝したときの記念の2ショット(撮影/姉崎正)

2024年も姉妹ともども優勝の数を重ねていくだろう。写真はKKT杯バンテリンレディスで姉が初優勝したときの記念の2ショット(撮影/姉崎正)

さらなる飛躍を目指す今年は、当面国内ツアーに専念する。史上初となる双子姉妹でのツアー優勝は果たしたが、これからの目標は2人とも初となる国内メジャー制覇、さらにメルセデス・ランキング1位などいくらでもある。

髪を短くしボーイッシュな雰囲気でウェアは主にパンツルックがトレードマークの明愛と、対照的にスカート姿が多い千怜。底知れない可能性を持つ岩井ツインズが、今年はどんなスーパープレーを見せてくれるのか、そして、どこまで成長の階段を上がっていくのか。全試合、全ホールから目が離せなくなりそうだ。

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