2023年の女子ツアーで多くのファンを魅了した女子プロたちの1年間の試合中や試合以外の取材写真を総チェック。6回に分けて選手の活躍ぶりと厳選写真を紹介。最終回は日本とアメリカで戦う西村優菜をクローズアップする!
画像: 西村優菜はコースで笑顔を絶やすことがないと思えるほど、笑顔のシーンが多い(撮影/大澤進二)

西村優菜はコースで笑顔を絶やすことがないと思えるほど、笑顔のシーンが多い(撮影/大澤進二)

2023年の西村優菜は米女子ツアー挑戦1年目でシードを獲得した一方、スポットで参戦した日本ツアーでは5試合中4試合でトップ10入りと抜群の安定感を発揮した。週刊ゴルフダイジェストでは表紙に3度掲載。トレードマークのスマイルが書店やコンビニに繰り返し並んだ。

画像: 23年の米ツアー出場権を獲得した西村優菜と勝みなみ

23年の米ツアー出場権を獲得した西村優菜と勝みなみ

22年のQスクールで24位となり、限定的な出場権を持って臨んだ米女子ツアーでの戦いは後半に差し掛かるまで苦しいものだった。日本で開幕2試合に出場し、いずれもトップ10入りを果たして海を渡ったものの、初戦でいきなりの予選落ち。その後はリシャッフルをクリアし、出場権は維持し続けたものの、上位争いは遠く、9月下旬まで一度もトップ10入りがないまま、シード獲得のボーダーライン付近での戦いが続いた。

そんななか、CMEランキング81位(シードは80位以内)で迎えた「ウォルマートNWアーカンソー選手権」では起死回生の活躍を見せる。初日を11位タイとまずまずのスタートを切ると、2日目には2打差の2位に浮上。10月1日だった最終日もスコアを伸ばし、初優勝は逃したものの、自己最高の3位タイに食い込んだ。大会後のランキングは61位。その後のアジアシリーズでも8位タイがあり、ランキングを48位にまで上げてシーズンを終えた。

画像: 身長150センチと小柄な体で日米ツアー両方で成績を残している(撮影/岡沢裕行)

身長150センチと小柄な体で日米ツアー両方で成績を残している(撮影/岡沢裕行)

米女子ツアーでのドライビングディスタンスは243.62ヤード。身長150センチと小柄な体を考えれば、なかなかの飛距離だが、ツアー全体では153位と決して上位ではない。それでも、フェアウェイキープ率10位の安定性やショートゲームを武器にスコアをまとめるのが、西村のプレースタイル。米女子ツアーでどのように持ち味を発揮していくのか、シーズン終盤のプレーは来季以降にもつながるはずだ。

画像: ショット後に笑顔でファンの歓声に応える西村(撮影/大澤進二)

ショット後に笑顔でファンの歓声に応える西村(撮影/大澤進二)

苦しい戦いが続く中、国内でプレーした5月の「ブリヂストンレディス」、9月の「住友生命Vitalityクラシックレディス東海クラシック」では多くのギャラリーを引き連れてプレー。移動の疲れもあったはずだが、笑顔で歓声に応え続けた。2打目地点へ向かう途中、ホール間の移動の際、控えめに右手を上げて、ファンに笑顔を向ける姿が印象的。カメラマンはそんな西村の対応を知っているからこそ、カメラ目線のスマイルを捕らえられる。そんな美しい写真の数々が雑誌の表紙へとつながっているのだろう。

画像: 西村にとって身長はハンディではない!?(撮影/大澤進二)

西村にとって身長はハンディではない!?(撮影/大澤進二)

西村自身は決して身長をハンディだとは思っていないはずだが、小さな体で日米両ツアーを飛び回り、好成績を残したことを称賛する声は多い。週刊ゴルフダイジェストの「23年のゴルフMVP あなたならだれを選ぶ?」ではプロゴルファーで解説者のタケ小山氏が女子のMVPに岩井姉妹の2人を挙げたうえで、「敢闘賞をあげるなら」と西村を選出。小柄ながら「日米を掛け持ちしているタフさに敬意を表します」とその理由を添えている。

画像: サングラスのレンズ越しからも際立つスマイル(撮影/大澤進二)

サングラスのレンズ越しからも際立つスマイル(撮影/大澤進二)

23年に西村がルーキーとして臨んだ米女子ツアーには24年から稲見萌寧、吉田優利、西郷真央が新たに参戦。日本人選手がさらに増えることで、日本のファンの注目度はさらにアップするはず。来季も何度かあるであろう国内ツアー参戦時はもちろん、米国からも西村のスマイルが届く機会がグッと増えるのは間違いない。

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