※「エージシュート」とは年齢と同じか、それ以下のスコアでラウンドすること
現在、国内でエージシュートを達成しているシニアゴルファーは推定で2000名前後。エージシューターに詳しいライターの高橋健二氏によれば、「2000名前後のうち通算1000回以上を記録しているのは、一昨年の12月に亡くなった熊本の植杉乾蔵さん(故人)はじめ、福岡の廣重俊一さん、愛媛の緒方治彦さん、神奈川の田中菊雄さんなど10名足らずですが、2000回は赤﨑さんが初。まさに日本一のエージシューターと言っても良いのではないでしょうか」。
赤﨑さんは71歳のときに71のスコアで初のエージシュートを達成。足かけ19年での偉業達成となったが、90歳となったいまも年間150ラウンド以上コースに出ており、地元では知らない人はいないスーパーシニアである。
もっとも、ここまでの道のりは決して順風満帆だったわけではない。73歳のときには庭のビワを取ろうとして木から転落し、右肩の腱板断裂という大ケガに見舞われた。
「医者は手術を勧めたのですが、手術をすると3カ月はクラブを振れないという。『3カ月も休んだら肩が固まってゴルフできなくなる』と断って挑戦を続けました(笑)」
もちろんこの記録は素晴らしいが、赤﨑さんにはもう1つ、他の追随を許さない記録がある。生涯ストロークへのこだわりだ。
「89 歳までは生涯の平均ストロークが79.8で70台をキープしてきたのですが、90歳を超えた途端に80 台のスコアが多くなって、現在の生涯ストロークの平均は80.4。これをもう一度、70台に戻すのが新しい年の目標ですね」
現在のドライバーの飛距離は160ヤード前後。若い頃より飛ばなくなったと嘆くが、30年以上使い続けた「2000円のパター」(購入時の価格)で今日も挑戦を続けている。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年1月23日号バックナインより