スタート直後から強風が吹き始めた。「ティーショットも打ちづらかったし、カップも難しいところに切ってあった」と2番でいきなりダブルボギー。「お先に」を打たされて外す不運に見舞われた。
その後、4番もボギー。中盤から持ち直したかのように思われたが結局スコアを2つ落とし通算9アンダー30位タイにとどまった。
前日上位に浮上したときは「自分のゴルフをするだけ」と語っていたが、いざ最終日のティーイングエリアに上がると「めちゃくちゃ緊張しました」と苦笑い。「右に打つと木が邪魔、左は池」といった難しいホールで勇気を持って真ん中に打てなかったことを反省。「そういう状況でも内側、真ん中のターゲットを狙っていかなければ」と課題を口にした。
それでも上位でプレーした今回は「去年と比べて引きずらなかったのが良かった。(昨年)日本ツアーで1年戦った分、少しは成長したのかな」と語り「来週、再来週と(出場の)チャンスがあるのでリベンジしたい」と前を向いた。
4位タイに浮上した3日目はラウンド後の記者会見で「タイガという名前の由来はタイガー・ウッズ?」と聞かれ「その通りです。ゴルフを始めた頃から彼のアグレッシブなスタイルが自分の性格にも合っていると思ってやってきました。いまもそれを目指しています」。
歴代世界アマチュアランキング1位の金谷拓実、中島啓太とのライバル関係を尋ねられると「3人で上位争いをすることで刺激を受けて良い効果がありました。(第3ラウンドも)その成果が出ました」と答えている。
さらにPGAツアーの顔ぶれを見て印象に残ったプレーヤーは? と聞かれ昨年ヨーロッパとアメリカで優勝したルドヴィック・アバーグの名前を挙げ「アマチュア時代から戦ってきた選手なので(ここで彼がプレーしている姿を見て)大いに刺激を受けました」。
これまでは絶対エース・松山の存在があまりにも大きかった。しかし今シーズンは蟬川や久常ら若手が世界を舞台に暴れることになりそうだ。今後の彼らにエールを贈りたい。
もちろん「ショット、パットともに兆しが見えてきた」という松山の2年ぶり通算9勝目にも期待したい。