合格率が3%余りという超難関の女子プロテストを、2023年にトップ合格を果たし、今年ツアーデビューする清本美波の昨年末に実施したインタビューをお届け!
画像: 2005年12月22日、愛知県一宮市生まれの18歳。身長153cm・体重54kg・B型

2005年12月22日、愛知県一宮市生まれの18歳。身長153cm・体重54kg・B型

中学2年でレギュラーツアー初参戦

2005年12月22日に愛知県一宮市で、サーファーである父が「美しい波」から名付けた「美波」という名で生を享けた清本は今年、誉高校(愛知県小牧市)を卒業する3年生だ。契約するテーラーメイドの新製品発表会にもゲスト出演し、テレビや各媒体でも彼女を見かけることが多くなっている。そんな彼女の素顔に迫った。

「学校から帰ってくると仲のいい友だちと遊びに行くほど、活発な子どもだったと思います。外で遊ぶのが好きでしたし、その子がサッカーをやっていたので、サッカーをしていた記憶が多いですね。ゴルフを始めたきっかけは父なんですけど、そのとき父もまったくゴルフしていなかったんです。でも、『会社の付き合いでコンペがある、練習しないと!』みたいな感じで。その練習について行って、そこでやってみようかなって。最初打ったとき、まったく覚えていなくてたぶん、そのときは公園で遊ぶような感じだったと思います。『ゴルフって楽しいな』と思い始めたのは、初めて沖縄旅行したとき。ゴルフリゾートで初めてラウンドしました。カップインしてないけど、次のホール! みたいな感じでした。それが小学1年だったと思います。小学3年生くらいでプロゴルファーになりたいって思いました」とゴルフを始めて3年でプロ入りを目指すほどの腕前に成長したという。

画像: フォトジェニックな瞳に引き込まれそうになる

フォトジェニックな瞳に引き込まれそうになる

それくらい速い成長をみせたのはコーチのおかげかと聞くと、「最初は室内練習場のオーナーさんが元プロみたいな人で、まずそこで基本だけ教えてもらいました。小学4年生くらいのときに仲のいい先輩がいて、その人が習っていた太田伸吾コーチに習い始めました。いまはめったにいきませんが、たまにどうしようもないときは観てもらっています。中学時代はゴルフ練習に父と弟と一緒に行っていました。いまの高校を選んだ理由はゴルフ部があったからです。部員全員で同じ練習を黙々とやる感じではなく、中学のときから続けていた練習がそのままできる感じだったのも性格に合っていたのもあります。ゴルフ部が強いわけでもなく、また人数もいないので団体戦にも出られていません」と清本。

才能なのか練習効率が良かったのか、着実に実力を付けた清本がターニングポイントと話すのは、「中部ゴルフ連盟の強化指定選手になったのは大きいですね。学べないことが学べます。上手い選手も多いですし」。中部ゴルフ連盟のHPをのぞくと、一宮市立南部中学校2年生の2019年に育成選手として選ばれており、その当時の強化指定“正選手”には、昨年日本オープンで3位に入り、初シードを獲得した金子駆大や、米国留学中で清本が姉のように慕う長谷川せら選手がいて、同じ育成選手には一昨年のプロテストを高校生で唯一合格した藤井美羽らがいて、切磋琢磨して実力を伸ばしたようだ。またツアーにはたびたび出場しており、初出場は「中学2年のときのニチレイレディスです。楽しかったというより緊張しました。何がなんだかまったくわかりませんでした。予選が何人通るかも知らなかったし。試合の空気感に疲れました」といい、残念ながら予選落ちとなったが、それでも当時アマチュアだった西郷真央よりも上位で終えている。また、渋野日向子が優勝した21年樋口久子三菱電機レディースでは18位タイでローアマチュアを獲得している。ナショナルチーム入りはならなかったが、その実力の高さはゴルフ界では知られていた。

画像: JLPGAツアーには19年のニチレイレディスが初出場(撮影/大澤進二)

JLPGAツアーには19年のニチレイレディスが初出場(撮影/大澤進二)

画像: 21年の樋口久子 三菱電機レディスではローアマを獲得。優勝した渋野日向子と(撮影/大澤進二)

21年の樋口久子 三菱電機レディスではローアマを獲得。優勝した渋野日向子と(撮影/大澤進二)

「飛距離」と「スウィングの再現性」が課題

プロテストについても話を振ってみると、「昨年春に調子を崩してティーショットが怖くなってどうしよう、今年は無理かな、って思ったけど、それも克服できたので受けることにしました。17アンダー出るとは思わなくて、『まさか』って感じでした。2日目が怪しかったんですけど、ごまかしごまがし、何とかパーみたいな感じでしたが、3日目が始まったら堂々とプレーできたので。プロテストは独特の雰囲気ですけど、コースが広くて隣りのホールとかよく見えて、その子たちに手を振ったり(笑)。組の雰囲気もよくて楽しかったです。学校に行くと、ぜんぜん話したことない子たちにおめでとうって言ってもらえたり、「私、プロとしゃべってたんだ」って(笑)」。

トップ合格の資格で得たファイナルQTについて聞くと、「葛城はそんなに難しくないって思ったんですけど、試合が始まるとめちゃめちゃ難しかった。風も強かったし、グリーンが小さくて砲台で。言い訳になりますが、学校の授業が忙しくて、あまり練習できなかったのもあります。学校側もプロテスト通過すれば終わりみたいに考えていて、それまでは休みがもらえたんですけど、その後、あまり休めなくて。とはいえ、終わったことなので、気持ち切り替えてステップに集中します!」と気持ちの切り替えはもう済んでいる様子。そのツアーについて自身の課題は「いま1Wの飛距離が230ヤードくらいなので、それを平均250ヤードまで伸ばしたいです。でも、ハードルがめちゃめちゃ高いです。フィジカルを鍛えなきゃですし、クラブも調整しないとダメかもで。クラブについてはこれから勉強しなきゃと思うほど疎いんです……。あと自分はめっちゃスコアが上下するので、再現性の高いゴルフも身につけないと、と思っています」。先の新製品発表会では「『Qi10 LS』にする予定」と答えていたが、この新クラブが課題解決の助けになるかもしれない。

画像: 契約はテーラーメイド。昨年末のためドライバーは新モデル『Qi10』シリーズではない(撮影/干川修)

契約はテーラーメイド。昨年末のためドライバーは新モデル『Qi10』シリーズではない(撮影/干川修)

最後に、少しプライベートについても聞いてみた。「休日は友だちと遊んでいます。インスタで見つけた美味しそうなお店に行ったり。趣味は景色を見に行くこと。遠征中とかその土地の有名な観光地に行きます。海とか山ではなく、建物が好きかも。お寺とか美しい建物が好きですね」とのこと。24年はステップ・アップ・ツアーがメインになりそうだが、試合会場近くのお寺や美しい建物に清本がいるかもしれないので、開催地周辺にお住まいの方はそれとなくチェックしてみてはいかがだろうか。

<1問1答>
●好きな飲み物/お水
●怖いもの/雷、地震、指名手配犯の紙
●好きなファッション/ビンテージというか、みんなと被らない服。父の服とかも着ます
●勝負飯/勝負メシではないけど、お寿司は食べません。お寿司食べると調子が悪くなるんです
●スタバは何を注文する/ゆず シトラス & パッション ティー

撮影/干川修

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