試打担当の癸生川プロと分析担当の小島プロ。同一シャフト『ツアーAD VF(6X)』での試打となる
キャロウェイとテーラーの『MAX』ヘッドを打ち比べ
使用した計測器は『QCクワッド』(左)と『トラックマン4』(右)
使用球は『プロV1』だ
試打者と分析者は「みんゴル ガチギアトラック」の癸生川（けぶかわ）喜弘プロ、小島慶太プロが担当。「みんゴル ガチギアトラック」同様に、メンタルや打感などのインプレッション部分をより現実のラウンドに近づけるために、コースのミドルホールで試打を行い、ボールは世界ツアー使用率No.１のタイトリスト・プロV1を使用した。データ分析に関しては、ボールフライトの計測に優れた「トラックマン4」と、クラブとボールの動きを得意とする「GCクワッド」の2台を使い、インパクトから着弾地点までのボールやクラブの動きを徹底計測している。
キャロウェイ試打ヘッド
パラダイム Ai スモークMAX（10.5度）
ヘッドの特性は「従来の“360°カーボンシャーシ”を改良し、慣性モーメントの大きなヘッドに加え、『Aiスマートフェース』の搭載により、フェースのどこに当たってもスピン量と球のバラつきを抑え、飛距離が落ちない」
テーラーメイド試打ヘッド
Qi10 MAX（10.5度）
ヘッド特性は「シリーズ名称『Qi10』の『Q』はクエスト（探求）、『i』はイナーシャ（慣性モーメント）、『10』は10K（1万）を表す。『Qi10 MAX』は、慣性モーメントの合計が1万を突破。打点がズレても打ち出しが左右にブレづらい」
同一シャフト＆グリップでヘッド特性をガチ検証!
試打では、この慣性モーメントが高く球のバラつきの少ないヘッド特性を持つ両モデルに、同じシャフトを装着してヘッド性能を比較している。
シャフトは『ツアーAD VF(6X)』。ヘッドは『パラダイム Ai スモーク MAX』と『Qi10 MAX』の10.5度同士
同一シャフトはグラファイトデザインの最新モデル『ツアーAD VX-6（フレックスX）』だ。重量帯、フレックスは癸生川プロは既に両モデルの純正シャフト（『Qi10 MAX』は『Diamana TM50』、『パラダイム Ai スモーク MAX』は『TENSEI 50 for Callaway』。共にフレックスS）を試打済なので、プロのヘッドスピードに適合するフレックス「X」で打ったときの弾道やフィーリングの違いも比べている。なお、『ツアーAD VF』は中元調子で、強く叩けてシャープに振り抜きやすいシャフトだ。グリップは、癸生川プロがいつも使用している『パルマックス』でこちらも統一した。
癸生川プロが試合で打つ平均的なHS47～48m/sで打った場合と、ボール初速70m/s以上で打った場合のそれぞれのクラブのデータを比較。それぞれのヘッド特性と、どのようなタイプのゴルファーに向いているかを2人のプロが解説をしている。
『テーラーメイド Qi10 MAX』の弾道は、ややつかまった球。HS47.1m/sでトータル飛距離275.1ヤードを記録。『パラダイム Ai スモーク MAX』の弾道はストレートドロー。HS47.9m/sでトータル飛距離は267.6ヤードを記録した。
癸生川プロは「『Qi10 MAX』は純正シャフトでもつかまりの良さは感じたけど、今回、シャフトが硬くなってもヘッドの特性でつかまるというのがよくわかる。自分でつかまえる操作をしないから楽ですね。『パラダイム Ai スモーク MAX』はとにかく球が強い。かなりトウで当たっても、左につかまりすぎるといった感じがない」。
小島プロはデータを基に分析。「『Qi10 MAX』はXシャフトで打ち出し角13.8度でスピン量3066rpmだから、ヘッドの機能としてもスピンがある程度入ってくれるのかなと思います。スピン量が多いと気になる人はロースピンモデルも用意されているので、それも含めて試してみるといいかもしれない。『パラダイム Ai スモーク MAX』は打点は23ミリトウで5ミリ上とかなりのオフセンターヒットなのにトータル飛距離267.6ヤードで、しかもボールはグリーンのまあまあ真ん中にある。ミスヒットに強いパフォーマンスの高さというのは大きいのかなと思いますね」。
試打をする癸生川プロ(右)と弾道を目視し、パソコンを駆使して分析する小島プロ(左)
純正シャフトでみせた、『Qi10 MAX』のつかまりの良さと『パラダイム Ai スモーク MAX』の飛距離が落ちないというヘッド特性は、シャフトを代えても証明された感じだ。
ボール初速70m/ｓを超える勢いで叩きにいった時の結果と、『Qi10 MAX』と『パラダイム Ai スモーク MAX』 をどういうタイプのゴルファーに合っているかの評価は「MYゴルフダイジェスト」でチェックしよう。
